ふづきです。
春の温かな風に乗り、
嬉しい話が届いたのはさておき。
久方の更新で、
自分の役割を取り戻すのは
なかなか難しいもので。
少し前に念願の車旅を再開し、
それは海を渡ったあの島へ。
ブログのトップに飾られた、
夫婦共々”いいね!”な写真。
ワクワクと楽しみをバッグに詰めて、
さあ、
長くてあっという間の旅へ…。
はじめに
<2021年 10月>
今回は序章となります。
何の始まりか。
東京から徳島へ車を載せての四国旅です!!
いつかやってみたかった、
念願の船と車(ぷちキャンカー)の最強コンビ♪
佐渡島以来の海を渡った車旅となりました。
www.fuzuki-satuki.com
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どんな旅だったか…?
ピンポイントで”どこが良い?”と語るには魅力が多すぎるほど、徳島、高知、愛媛、香川にはそれぞれの良さが詰まっていました!時間の制約がなかったら…と初日から感じてしまう。これ以上話してしまうと、それだけで原稿用紙数枚にもなってしまいそう…笑。
次回以降は、徳島から四国四県を車中泊やキャンプ場、時には(1泊だけ)ビジネスホテルを利用しながらの車旅。船旅と合わせて9泊10日のロングラン♪となりますので、お楽しみに♪
始まりは東京港(有明)
この日は19時30分出航の船に乗るため、早めに出たつもりだったのですが…。渋滞や都内の道に不慣れなために、出航1時間前を切った時刻となってしまいました。同じ東京の港でも、伊豆大島へ向かう東海汽船とはまた違うフェリーターミナルなので、そのあたりも気を付けたいところですね。
(四国は有明、伊豆大島は竹芝)
※出典:Googleマップ
乗る船は、
『オーシャン東九フェリー』となります。
詳細が気になる方はこちらをどうぞ↓↓
TOP│東京,徳島,北九州のフェリーならオーシャン東九フェリー
館内の様子
階段を上ると、白に統一された館内に。
閑散とした、静かな空間だなと思って見渡していると、テンションMAXになる文字が!
この文字を見ると、
これから徳島へ海を渡るんだな…と。
しみじみ感じ、運転の疲労感が吹き飛びます。
受付け上には、3つのタイプ別の個室の説明と値段が載せられています。ペットも大切な家族。一緒に船旅が出来るのは嬉しいですね♪今回は個室ではなく、1部屋8人の2等洋室を利用させて頂きました。プライベート空間を十分確保出来ます。詳細は後ほど。
東京から徳島、北九州へ向かう船は「下り便」となります。
飛行機や新幹線と違い、1日目、2日目と。この不便さが逆にいい。携帯の電波の届かない海原に、快適に居られる不自由さ。このアンバランス感がクセになります。
日本中から長距離フェリーが出ていることをご存じですか?自分はこんなに(16ヵ所)もあるとは思っていませんでした。時代は便利と快適さを求めて進化を続けていますが、実はフェリーは大量の物資や旅客を1度に運べるため、環境に優しいと言われています。これを機に乗ってみるのもアリかもしれませんね♪
いつも車旅で嫁とお世話になっている”ぷちキャンカー”(軽バン)と一緒に船旅が出来る!記入しながらワクワク度が高まってきます。
受付を済ませて、乗船へ
そう思えるものがココにありました。
これで嫁のさつきと車と一緒に、いざ徳島へ!
旅の始まりが約束された瞬間でした。
『りつりん』という名前だけ聞くと、可愛らしい感じがしてしまいますが。造りはほぼ同じで、カラーとマーク等が異なる4つの船が運行しています。
四国四県をイメージした内装となっているようで、『りつりん』という名は香川県の特別名勝である栗林(りつりん)公園から来ているようですね!
車に乗っての乗船は、新潟からの佐渡汽船以来。
この乗り込む時って、ホント興奮しますよね♪
オーシャン東九フェリー『りつりん』
・全長 190.97m
・旅客定員 266名
・車両積載能力 13mトレーラー188台/普通車80台
これだけ見ると、とても大きなフェリーですよね?
人も車もたくさん運べる船って、すごく逞しさを感じます。
気になって、以前乗った大洗⇔苫小牧を結ぶ商船三井フェリー(さんふらわあ)を調べてみたら…。定員や車両がこの倍くらい載せることが出来たようです。驚きですね!
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余談ですが、新潟と佐渡島を結ぶ佐渡汽船(おけさ丸)は、この能力がずば抜けていて…。最大旅客定員が1705人、普通車290台って。上には上がいるものですね!そこまで大きいと気付かずに乗っていました…汗。
佐渡汽船の参照サイトはこちら↓↓
佐渡汽船公式サイト | 佐渡汽船の公式情報を提供しています。
船内の様子
エレベーターのボタンを見ると分かるのが、
4階は車両を積載する甲板フロア。
5階は船旅のほとんどの時間を過ごすことになる客室フロア。
6階は(夜間を除いた時間を)これぞ船旅!
と思えるような眺めを堪能できる展望デッキ。
となっています。
注目すべき点は、
レストランがないところ…ではなく、男女別の大浴場があるところ!
これ、結構重要で、とても贅沢なひとときを過ごせるポイントですよ♪
オーシャンプラザ と ラウンジ
レストランがない代わりに、こちらが食事を摂れるスペースとなっています。写真ではA、B、C、D、Eと、電子レンジに札が付けられていますが、これは何だと思いますか?どれも同じじゃないの?と一見思いましたが、実は知って得する親切な札だったんです。
答えは次のコーナーを見れば分かります。
オーシャンプラザを挟むように、窓側に位置するのがこのラウンジ。こちらで食事をすることも出来るので、プラザよりもオススメです。天気が良ければ昼間の大海原、夕暮れの赤く染まる夕陽や贅沢な日の出を望むことも出来ますよ♪
夕食を全部自販機で揃えると高くついてしまうので、
嫁のさつきが煮物などを用意してくれていました。足りないものだけ買い足して、上手に船旅を楽しむことが長く旅を続ける秘訣かもしれませんね!
豊富なメニューの自動販売機
先ほどの答えがこの写真にあります。
自動販売機にもcやらBとの札が貼られていますね。
そうです。この自動販売機で買ったものは、同じ札の電子レンジで温める。専用のW(ワット)となっているので、より早く、より美味しく温めることが出来るということです。
「何Wで何分温めれば良いんだろう?」
という地味にメンドクサイ悩み解決ですね!
味噌汁などの汁物やお菓子類、缶詰も揃える万能な自販機。その中でもオススメは、左下にある徳島ラーメン180円!カップ麺ですが、他のお弁当たちよりもリーズナブルで、四国の徳島の味を堪能できる一品となっています。自動販売機で500円以上のものを買うのって、なぜか抵抗があるのは自分だけでしょうか?180円ならチャリンと、ジュース感覚ですんなり入れてしまいそうになる。味は本物には劣りますが、カップ麺にしては美味しかったですよ♪帰りの船で徳島を思い起こしながら頂きました。
案内所(売店) と 周辺
困ったときに頼りになる案内所。
ここでは品揃えは少ないものの、四国や東京のお土産を買うことが出来ます。期待しているとなかったりするので、現地で買い忘れてしまった時の緊急用と考えた方が良いかもしれませんね。
観光地あるあるの『乗船記念パネル』。見かけたら絶対写真を撮ってしまう、不思議な魅力を持つパネルです。
個室を利用している方は安心かもしれませんが、多勢がいる客室などで不安な場合はこちらのコインロッカーに貴重品を預けておくと良いかもしれません。
電話を掛けたいのに携帯の電波がない!という時に重宝する、今や珍しい公衆電話。小銭の用意が必要ですが、緊急時に助かります。
ゲームコーナー
カーフェリーには必ず備え付けられているゲームコーナー。その船に何度か乗船していますが、楽しんでいる方を見かけたのは一度きり。…ゲームも楽しいですが、展望デッキからの眺めの方が船上では楽しい気がしています。
コインランドリー と 休憩所
東京から徳島までは1泊ですが、北九州までは2泊となるので、コインランドリーがあると助かりますね。観光や帰省などで出た洗濯物を、家でまとめて洗うのは大変!という時にも利用できる点は大きなメリットです。
洗濯待ち時間に、また、すぐ近くに男女別の大浴場があるので、その待合所としてこの休憩所(リラクゼーションスペース)を活用したいですね。リクライニングチェアーに腰掛け、テレビを観ることが出来ます。
フォワードロビー
夜は運行に支障が出るとの理由でカーテンが閉められていますが、開いてても真っ暗で何も見えないでしょう。
こちらでも昼間は明るい陽射しが差し込み、ゆったりと寛ぐことが出来ます。今回は、朝食の際にこちらのスペースを使わせて頂きました。
この席で海を眺めると、まるでこの船を貸し切ったかのような錯覚に。
船旅の”ひとつの楽しみ方”です♪
快適な『2等洋室」
今回の旅で実際に利用させて頂いた、2等洋室。
乗船した際に、船のスタッフの方から一言。
特に要望は伝えてなかったものの、嫁のことを気遣ってのことでしょうか。さりげない心配りは、次回も利用したいと感じさせてくれます。
オーシャン東九フェリーりつりんは、船内Wi-Fiはありません。航海中の陸から離れている間(ほとんどの時間)は携帯の電波すらありません。テレビの設置もないので、部屋でどうしても観たいという方は個室を利用されると良いと思います。
また、浴室と手すりの付いたトイレがあるバリアフリールーム(6部屋・定員2名)も用意されているので、車椅子の方でも気兼ねなく利用できるのは有難いことです。
この2等洋室は、カプセル型の2段ベッドのような造りで、隣は壁となっているのでカーテンを開けても隣の利用客と目を合わせることなく、通路しか見えません。大柄の男性(180cm位)でも不自由なく足を伸ばして横になることが出来るスペースがありました。敷布団とシーツや毛布、枕といった簡素な寝具のみでしたが、船の種類(オーシャン東九フェリーではなく)によっては大部屋に雑魚寝というタイプもある中で、プライベート空間が保たれて寝具があるだけで十分だと思っています。なんせ、船旅ですから、ほとんどオーシャンラウンジで海原をボーっと眺めているか、展望デッキに出て海風を感じながらただただ時間を過ごす。それが一番の醍醐味です♪
オススメの『大浴場』
船旅の中で、展望デッキからの眺めと同じくらい、あるいはそれ以上の楽しみの大浴場♪(あくまで個人の感想です)
温泉ではなく沸かし湯なのですが、普段は大の温泉好きな自分たち夫婦ですが、船のお風呂はまた別格です。これは入ればわかります。極めて稀に、荒れた天気の際には閉鎖するようですが、まだそれには出くわしたことはありません。
暖簾を潜ると下駄箱があります。スリッパだと間違われやすいので、注意が必要です。
入って直ぐに給水機があるので、入浴する前と後にはしっかり補水することが大切ですね!洗面所には無料のドライヤーが設置してあります。当たり前にあるものだと思っていると、たまに有料だったりそもそもなかったりするので、入るときに確認しておくと安心です。
なぜドアを写したか…?
船あるあるで、このドア、とても重いんです。
船の揺れで開いたり壊れたりしないような造りであるのと、きっと荒天時などに浸水しないように考慮されてのことだと思います。くれぐれも指や身体を挟まないように。しっかり閉めないと波の揺れでバタン!バタン!しますよ。
スーパー銭湯などは100円必要だったりしますが、こちらは無料の鍵付きロッカー。ちょっと小さめですが、鍵があるのとないとでは安心感が違います。どうしても不安な場合は、案内所近くの有料コインロッカーを利用されることをオススメします。
浴室とは別にシャワールームが完備されています。
各シャワー横に、シャンプーとボディーソープが備え付けられています。自分はお風呂に浸かる派なので、今回は利用しませんでした。
今回イチオシの大浴場がこちら。
男性はカラーがブルー、女性はピンクとなっていて、造りが左右対称となっています。
イチオシの理由はもうお分かりですね?!
洗い場にはシャワーとカラン、シャンプーとボディーソープが備え付けられています。天候が穏やかでも時に揺れたりするので、濡れた足元には十分に気を付けた方が良さそうです。
浴槽は、男女とも海側に設置されています。なので、海を眺めながら入浴することが出来るんです!旅館やホテルの海を眺めながら…とはワケが違う。大海原のど真ん中で、しかも航海中の船の上で、波に揺られながら…。海と一体化とは、まさにこのこと!(若干、窓の位置が高いので、少し腰を浮かせないと空しか見えなかったりするのですが・・・それはご愛敬で)
プライベートビーチならぬ、
プライベートUMI!…いや、SEA!
思い起こすだけでテンションが上がってしまいます。キーボードを打ちながらテンションが上がってるオッサンは、なかなか滑稽かもしれません。笑
言葉に表現するよりも、実際入って、その目で見てもらえるのが一番伝わると思っています。その感動を噛み締めながら浸かるお湯は、どんな温泉にも負けないほどに気持ちが良かったりしますから♪(奥側からお湯が噴き出して、手前の浴槽に繋がっている形。奥側は体感43℃、手前は体感41℃程。オーバーフローしておらず、浴槽内で循環されているよう)
実は、これだけではありません。
女性大浴場からは朝陽を望むことが出来るようです。自分(ふづき)の方からは、いくら探しても見つからないわけですね。いやー、これは見たかった!これを見るためだけに船に乗っても良いくらい。そんな気持ちに駆られます。
展望デッキ(夜→朝→昼)
当時(2021年10月)は、夜間(詳しい時間は載っておらず)展望デッキへの出入り口は閉鎖されていました。この時の時刻は19時過ぎ。展望デッキのフェンスに注意書きがあったので、それが(安全上の)理由だと思いますが…。知らずに夜の星空を見に行こう!なんて、夜に行こうとしたら行けなかった。と言うことがないように気を付けたいところ。
注意書きにもあるように、柵が異様に高いんです。しかも、他の船と違い行ける場所が少なく限られているので、表現の仕方がアレですが…ちょっと監獄のようにも感じてしまったのは事実です。高さよりもむしろ、柵の隙間が広いので小さな子供が一人ではしゃいでいると危ないかもしれませんね。
嫁のさつきは、乗船すると毎回のように離岸する港にいる方々へ手を振っているのですが、まさかの誰もいないという…苦笑。静かに離れる港を目で追いながら、これはこれで何だか寂しさを感じます。一生のお別れのような哀愁に浸るひとときと。
あいにくの空模様、
雨が上がっただけでも良しとしましょうか!
・・・・・・・
翌朝、
早朝6時過ぎのこと。
嫁のさつきから、
船に乗ると興奮して寝れなかったと報告を受け、足早にオーシャンラウンジへ。
さすが、晴れ女と晴れ男!
持ってるふたりは違いますね♪
駆けるように歩いて展望デッキへ。
雲ひとつない海原から、湧き出すような日の出。
船でしっかり寝ておかないと、これからの車旅に響くのは分かっていても、これだけは譲れないものがあるとしたら…それは今だと思う。毎日の当たり前の光景だとしても、なぜこんなに感慨深く感じるのだろうか。それが初日の出でもご来光でも普段の日常であっても、きっと些細な違いはあっても共通する何かが自分たちのDNAに組み込まれているに違いない。…なんて、カッコ良く表現してみたり。
雲ひとつない、は語弊がありました。
水平線付近には、いつも日の出や日の入りを邪魔する雲が待機しています。それでもこの瞬間は素晴らしいですよね。何度写真に収めても、どこで撮っても、後から見返すとどれも同じにしか見えない写真No.1ですね!
13時頃でしょうか。
陽は高々と上がり、自分たちを見下ろしています。
明るくなると見えてくる。
実はど真ん中にヘリポートがあったということ。
昨夜から何度も段差でつまずいていたんです。そのヘリポートの淵が若干盛り上がっているそのわずかな段差で…。聞く方は笑い話で済みますが、これ、足が上がらなくなってすり足になっている証拠ですよね…。意外なところで凹みます。
陽が上り切ったということは、もうすぐ徳島の港へ到着するということ。昨夜の19時30分に東京の有明港を出てから約18時間。13時20分頃には四国徳島の地に着岸となります。長いはずなのにあっという間だったな、と。あとわずかな時間を、船上でボーっと眺めて過ごします。
徳島港へ到着 と まとめ
これからが本当の始まりなのに、
なぜかやり切った感が湧いてしまう船旅。
少し振り返ると、
前回乗船した商船三井フェリー(さんふらわあ)も約18時間だったことを思い出します。この時間は、夜(寝る時間)を跨ぐからでしょうか。それとも非日常の空間で過ごすからでしょうか。体感的には飛行機とさほど変わらない短さ、あっという間感があります。
離岸時の寂しさ、そして、着岸時のワクワク感と共に残る残念感。きっと、船の楽しさ面白さを知ってしまったから感じるものなのでしょう。嫁のさつきも同じことを感じていることと思います。
公式サイトにも載っているように、(2022年4月現在)2等洋室は半数の定員(8名→4名、16名→8名)で受け入れをしています。密にならないよう配慮していたり、部屋の配置など気に掛けてくださったり、要所要所に除菌スプレーが置いてあったり。どのような言い方が正しいのかは分かりませんが、とても快適に過ごすことが出来ました。
携帯の電波がなかったり、食事がすべて自動販売機だったり、船であるという不便さはあったとしても、むしろそれを楽しむことが出来る時間だということ。否応なしに、文明の利器(テレビや携帯など)が(状況により)使えなかったりするのですから、だったら出来ることを楽しむ方がお得ですよね♪普段会社や家事など、時間に追われている日々から解放されて、丸1日にも満たないたったの18時間を”ただただボーっと過ごす”のもアリですし、”ひたすら海と空を眺める”のだって全然アリだと思います。忙しない毎日の中では絶対に出来ないことを、ゆる~く、波に揺られながら…。
現在(いま)だからこそ必要なもの。
海の青さと空の青さの違いに気付き、
どの程度の揺れだと寝心地が良いのかを知り、
携帯を見ない時間がどんな時間だったか思い出す。
今が何時(いつ)であるかを、
時計の針ではなく、
太陽と雲の移り変わりで知り、
風の冷たさで気付く。
なんて、
語らせてしまうのも船旅の魅力だと思っています。