今週のお題「空の写真」
普段何気なく生活をしていると、歩く度に前を見たり、忘れ物をして後ろを振り返ったり、時には誰かに呼ばれて左右を向くことがある。車を運転したり、仕事に集中するためには、目の前に見える物事を注視する必要がある。
時計の針に追われる毎日には、悔しかったり哀しかったり、恥ずかしかったりして下を見ることはあっても、なかなか上を見上げ、ましてや空をゆっくり眺めることなんて久方ないと答える人も、実際多くいることだろう。
「あなたは最近空を見ましたか?」
そう聞かれたら、
「そう言われると、見てるようで見ていないかもしれない」
そう答えるかもしれない。
それだけ、身近なもの過ぎて、きっと疎かにしているのだと思う。
自分は、旅が好きだ。
嫁と車でちょくちょく旅に出る。
前を見ると、陽射しが眩しかったり、真っ黒な雲が今にも雨を降らせようとしている時もある。
旅に出るときは、晴れていた方が何かと都合が良かったりするが、車のなかで過ごす時間に雨の音が心地よく聴こえてくることがあったりもするから不思議だ。
結局、何が言いたいのか。
好きな人と好きなことをしている時には、視界に空が入る。晴れていたり曇っていたり、雹が降ってきたり、夕暮れ時に虹が架かったり。
綺麗な花々を見かけたときには、必ず背景に青のボードがある。
蒼い海を眺めたときには、どこが水平線なのか教えてくれる。
車を走らせていると、ふとカメラを構えたくなる瞬間がある。
日常ではほとんど気にもかけないものが、旅先では当たり前のものとなる。
まるで、自分たちを際立たせるための背景となり、時には旅を有意義に感じさせる、あの陽射しに気付かせる青のボードとなって。
自分たちが描かれているのかもしれない。