徒然たびたび夫婦旅

温泉、車中泊、プチ旅行…。夫婦ふたりで気ままにお出かけ日記♪

『さんふらわあ ふらの』すべてが絶景の18時間…。ロマンと共に太平洋を望みながら湯に浸かる【商船三井フェリー 大洗→苫小牧】

ふづきです。





いつになるのか、不快な湿り気を追い払う陽射しを求めていた日々が、南の風と共にやっと便りとして届きました。カラッとした暑さは、蒸した数字よりも大きくとも快適です。人も布団も草木たちも、失うと気付く太陽の有り難さ。毎年繰り返してはいるものの、忘れてはいないはずなのに、眩しさを新鮮に感じます。記憶というものは、どれだけ正確で、どれほど信憑性のあるものなのか、意外と柔軟で都合の良い性質なのかもしれません。だからこそ、感情という諸刃の剣を扱える定めを与えられたのだろうと、流れる景色を目だけで追いながら、思いに耽っていました。





はじめに



<2020年7月某日>

嫁のさつきが「船って良いよね」と。
佐渡汽船やら東海汽船のYouTubeを見ていたことを知っていましたが、最短ルートを走る飛行機や新幹線と違い、倍以上の時間を掛け、船の上での時間を楽しむことにロマンを感じるよう。夫の自分よりも男気があるので、だから格好良く見えるんだろうなと薄々思ってはいましたが。

今回は、今までよりも長く船旅を楽しめ、車を載せることも出来れば、大浴場も完備されている大型船『さんふらわあ ふらの』(商船三井フェリー)を利用することに。当日に乗り合わせた客員は少なく、利用した部屋(定員11名)は自分たちのみ。新たな旅のあり方を考える旅、本来の楽しむことを忘れない旅でもあるのかなと感じています。


商船三井フェリーによる、新型コロナウイルス感染防止対策についてはこちらから。
https://www.sunflower.co.jp/information/news/20200713a.html




さんふらわあ ふらのとは



茨城県の大洗港と、北海道の苫小牧港を結ぶカーフェリーです。

所要時間は船(夕方便・深夜便)により若干の差はあるものの、おおよそ18時間。車や大きな荷物を載せて運ぶことができ、ペットも同伴することができるので、幅広い客層が利用できるメリットがあります。レストランや男女別の大浴場も備え付けられているので、長時間でもゆっくり利用できると思います。

天気が良く、運が良ければイルカクジラにも逢えると言うことですが…お逢いできたらラッキーですね♪


詳しくは、こちらの公式サイトを参照してみてください。
https://www.sunflower.co.jp/support/beginner/sunflower.html




大洗港より


昼間の大洗港フェリーターミナル外観の写真夜の大洗フェリーターミナル外観の写真
旅の始まりは、大洗港フェリーターミナルから…
(左:昼 右:夜)

さっそく乗船手続きをします。
嫁と来るのは初めてですが、東海汽船や佐渡汽船よりも建物が気持ち大きい気がします。ここには広い駐車場があるのですが、日を跨ぎ駐車するため普段よりも配慮する必要があり、またあまり治安が良くないという噂を耳にしたので、車は水戸駅の方へ停めることとしました。直通のバスが出ているので便利です。


乗船手続き案内所付近の内観の写真
乗船手続き案内所付近
ロビーから乗船連絡口の写真清潔感のある待合室の写真待合室の近くには自動販売機や携帯充電設備(有料)がある写真
待合室周辺は清潔感があり広々としている

自分たちが訪れた時には誰一人いない、まさに貸切状態でした。それを考慮しなくとも、とても綺麗な待合室と周辺。窓からは大型客船さんふらわあを観ることができます。船好きの嫁のテンションがどんどん上がっていきます!

なぜ治安が悪いのか。船の到着発着時以外は、誰も人がいなくなってしまうためだそう。そうでなくとも、茨城の海沿いの1本道には現役の暴走族が沢山いますからね。笑。




いざ船内へ


船内へと繋がるエスカレーターの写真
エスカレーターを上るとそこは…

ホテルのフロント?
と思わせるような、船員とスタッフのお出迎え。すぐさま客室への案内。いやいや、格安で節約旅をしてきた身としては、VIPなお出迎えに少し緊張。と言っても、旅のプランは嫁任せ。苦手な上に無駄遣いをしてしまいそうで…。嫁のさつきは、絞るとこは絞る!遣うところは遣う!のメリハリ系なので、いつも上手に旅させてもらっています。有り難いことです。


客室ツーリストの写真客室ツーリストの寝具の写真
客室(ツーリスト)

一番お得な定員11名のツーリストの客室ですが、佐渡汽船や東海汽船とは違い(もちろんどちらにも個室はありますが)雑魚寝ではなく、フランスベッド社のマットレスに敷きパッド、シーツに枕、薄掛け布団が備え付けてあります。今は、コロナ対策で隣とは2人分の席の距離を開けて利用するようですが、仕切りのカーテンもあり、十分快適に過ごすことができます。しかも、今回は自分たちの他にこの部屋を利用する人がおらず、大部屋を貸切状態。高い客室よりももしかしたらお得だったかもしれません。

車椅子の方でも利用できるようにバリアフリー。ドアはボタンを押すタイプの自動ドアとなっていました。
場所的に、窓がなく眺めがないことが、一番のデメリットかもしれません。




探険してみる


船内案内図の写真
船内案内図

一言でいうと、とても広い。迷子になります。
一般客室とドライバーの客室とが分かれているようで、レストランや大浴場も別々にあると言うことは、かなり広い。とりあえず、身の丈にあった場所を回ってみることとします。嫁は散歩に出られた犬のように腕を引っ張り歩き出します。


船内の様子(廊下)の写真船内の様子(テレビ付きのロビー)の写真船内の様子(窓からは夜の海が見える)の写真
船内はとても綺麗で統一されたカラーリング

写真に映っていないだけ、と思われそうですが。混み合うほどの人はおらず、ポツポツと見かける程度。一定以上の距離は十分に保たれています。座り心地の良い椅子に腰掛けながら、ひたすら流れる景色を眺めている人もいます。海って、ホント飽きないですよね。
それと、さっきから気になっているのは…いかつい輩が多いこと。偏見かもしれませんが、ドライバーさんや海の職業の男の人は、色黒でガタイが良くて、モヒカンだったり丸めていたり。こういう人たちとお会いする機会が多い気がするのは気のせいでしょうか…笑。意外と言ったら失礼ですが、このような人たちはマナーが良いですよ!体育会系だからか、決まりごとにはきっちりしている気がします。はい。




食事はというと


メニューはバイキング形式中止で定食のみ、の写真船内レストランの外観の写真レストランの内観の写真
夕食はレストランで

バイキングは中止となっていて、単品と定食メニューのみとなっていました。刺身定食が売り切れ?(始めからなかった)だったので、必然的にラーメンかカレーか…。ほとんどの人がカツカレーを頼んでいたので、ほぼカレー屋となっていました。


カツカレー定食(カツカレーとサラダ)の写真
ごく普通なカツカレー定食と味でした

お腹が空いていたのと、初めての船と言うこともあり、美味しく頂くことができました!バイキングだった方が良かったなとは思いますが、今はなかなか難しい現状ですね。手袋と消毒を徹底し、スタッフが取り分けする形態を取っているところもありますが、人件費やらリスクやらを考えると負担は大きいのでしょう。


船内レストランにて朝食もあります、の写真
朝食メニューもあり

18時間という長時間の滞在のため、食事の時間を2回迎えることとなります。トースト&ドリンクが500円で提供されていました。自分たちは乗船前に買っておいた朝ごはんを食べましたが、給湯室でお湯があるのでカップ麺を食べてる方を多く見かけました。あの匂いは、何だか食欲をそそりますよね!




お風呂を嗜む


男湯 大浴場の暖簾と出入口の写真
男湯 大浴場

船では珍しい!?大浴場付きです。
シャワー付きは良く見かけますが、大浴場付きは豪華客船でしか想像していませんでした。なので、今回の船旅の目玉と言っても過言ではありません。

男女別であり、場所も反対側と離れているため、嫁とは出る時間を決めて待ち合わせます。温泉分析書やらの表記や貼り紙や説明がないため、沸かし湯だと思われます。お湯の質が云々よりも、どんなお風呂に入らせてもらえるのか楽しみです!


暖簾を潜ると、洗面所兼ロッカー付き脱衣場の写真
暖簾を潜ると、洗面所兼ロッカー付き脱衣場

無料ドライヤー付きの洗面台に、写真には載っていませんが向かい側には無料の鍵付きロッカーがあります。小銭を用意しなくて済むので助かりますね!


女湯(左側:洗い場 中央:サウナとシャワー 右側:海が見える窓側の浴槽)
大浴場
(左:浴室全体 右:昼間の浴槽と窓からの景色)

写真は女湯のため、男湯とは左右対称となります。

洗い場にはシャンプー、コンディショナー、ボディーソープが備え付きでありますが、タオルだけはないのでご自身でお持ち頂くか、船内のお土産屋で購入する形となります。さんふらわあのロゴが入っているので、とても可愛らしく買いたい欲求に駆られます。シャワーとカランがあるため、旅の疲れをしっかり洗い流すことができるでしょう。

中央奥側にはシャワーがありますが、これはサウナから出た人用のシャワーとなります。シャワー横にドライサウナが完備されています。海の逞しい男たちは、こぞってサウナに入っていきました。自分はというと、のんびり海を眺めながら頭にタオルを載せて浸かりました。

浴槽は循環式の4~5人入れる浴槽が2つ。1つはジャグジーですね。船体が大きいため、揺れを余り感じませんが、時折波に煽られると湯船も波が立ちます。右~、左~、右~、左~と、大きくゆっくりとした波に揺られ、まるで太平洋と一体になったような感覚に。

お湯加減は意外と熱く、42~43℃ありそうな、案外ゆっくり長湯させてもらえない温度に仕上がっているよう。たまに窓の淵に腰掛け、足湯しながら海の眺めを楽しむ。この揺れがまた船旅の興奮を誘います。気付けば汗が珠となり、意外と塩素臭さを感じさせない湯触りに、何度も入ってしまう自分がいました。きっと、このシチュエーションがそうさせるのでしょう。ただの沸かし湯だとしても、まるで特別な温泉のような感覚。目から耳から入る情報が、お湯を何倍も良質なものに変えてくれます。だからお風呂って楽しいんですよね♪無料で何度でも入ることができるので、太平洋の青い海と共に満喫できますよ!

入浴可能時間 乗船時~23:00 翌6:30~下船時
※大洗発の夕方便『さんふらわあ ふらの』の時間であり、深夜便とは時間が異なりますのでご注意下さい。



牛乳専用の自販機があるので、湯上がりの一杯も楽しませてもらえますよ♪




船の醍醐味はもちろん



何も言わなくても、教えられなくてもわかります。船から見えるもの全てが絶景ですね。18時間あると言うことは、夜明けの朝陽も、夕暮れから沈む夕陽も、大洗の夜景、太平洋沿いの東北の街並み、闇夜の海原、早朝の漁船等々。言葉のいらない景色がそこにはあります。


大洗のシンボル『マリンタワー』と街並みの写真
大洗のシンボル『マリンタワー』と街並み
船体と海と空の写真
船からの海と空
海と空の青色の写真
海の青と空の青
海を観ると、イルカを見かけた写真
ふと海を観ると、イルカの群れが…
名古屋から苫小牧へ来ている船の写真
名古屋からも苫小牧に船が出ているよう…33時間とか。
夜明け前の茜色に染まる空の写真
夜明け前の茜色に染まる空
苫小牧からの船と夜明けの海の写真
苫小牧からの船と夜明けの海
ロビーの窓から望む日の出の写真
ロビーの窓から

同じような写真を何枚も撮ってしまう。そんな衝動に駆られてしまう瞬間でした。




おわりに


苫小牧港と船の写真
苫小牧港と船

色々な思いと共に、嫁と楽しむ船旅。

仕事で乗る人、帰省で利用する人、友達や仲間と会うために、旅や観光で。船に載せるのは、人やモノだけでなく、一人一人の思いも共に。

変わらない海原と、流れゆく時と風に、半日以上のふたりの時間を委ねる。



お湯は入るものではあるけれど、目と耳で感じる比率が実は高いということ。ただのお湯が、この上ないお湯となり、何気ない青色が、心をも満たす淡い色となる。

日常を過ごしていると忘れてしまうありきたりな楽しさを、日常を忘れさせてくれる波と揺れによって思い起こさせてくれるよう。



嫁が感じたロマンを、ほんの少しだけかもしれないけれど、この船旅によって触れられた気がすることが、たぶん一番嬉しいことかもしれない。





船の上で乾杯  ふづきとさつきの写真
ふづき と さつき



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