ふづきです。
よく「お洒落は足元から」という言葉を耳にしますが、寒い時期を迎えると「温めるのは足元から」という言葉が思い浮かびます。
と言うのも、若いうちは全く気にもなりませんでしたが、最近はとにかく手先足先が冷たい!そんな手で触れると怒られること間違いなし!?嫁によく怒られますが、そんな嫁は冷え切った足を「冷たいんだもん」と付けてきたりします。
そんな時は、足湯に浸かりたい。ましてや温泉にどっぷり浸りたい…。
家のお風呂は、やっぱりなんか物足りないんですよね。
忙しく毎日を過ごしていると、時に忘れてきてしまう大切なひとときを。思い起こしながら、その過ぎた時間を再び巡るひとときも。また今の自分には必要なことなのかなと、嫁に気付かされながら過ごす日々です。
はじめに
<2020年9月上旬>
嫁のさつきを隣に乗せて、新潟湯めぐり車旅の後半。
新潟は米処・水処・酒処、夏は湯めぐり(海水浴も)、冬はもちろんスノボ(湯めぐりも)、四季問わず日本海の荒波は絶景の夕陽ともに老若男女を誘惑します。佐渡の島に心を奪われ、その前もそれからも、意外と何度も足を運んでいる県ですが。それでも知らない魅力が多い、ホント贅沢な県だと思っています。
名は、月岡温泉。場所は、新潟県新発田。
硫黄大好物の嫁が、また良い温泉地を見つけてきたんです。
『もっと美人になれる温泉*1』
というフレーズは、世の女性のみならず夫婦仲にも良い効能をもたらしてくれそうな匂いがプンプンしますね♪
月岡温泉は足湯から
無料駐車場
雲ひとつない、澄み渡った青空。
絶好の旅日和です。
車旅をしているので、まずは駐車場を探します。無料の駐車場は何か所かありますが、足湯→温泉街→共同浴場→飲泉所と、効率良く回るにはここが良いかなと思いました。歩き疲れて帰り間際にもザブっと足湯できそうですし。もちろん足湯も無料ですが、タオルは必要です。
あしゆ湯足美
外観
とても一枚では納まり切れない広さ。日帰り入浴施設?と思うほど。
左側には「情報館ふらっと」という建物も併設されていて、これから月岡温泉をめぐる人には持って来いの場所となります。
とにかく、立派な佇まい。外観だけで見惚れてしまいそうになります。事実、撮影に夢中でなかなか嫁を足湯に入らせない自分がいました。笑
料金と時間
・ご利用時間 7:00~22:00
・ご利用料金 無料
早朝から夜遅くまで、無料で利用できるのは嬉しいポイントですね♪
温泉分析表
・源泉名 月岡5号井・月岡6号井
・泉質 含硫黄‐ナトリウム-塩化物・硫酸塩泉
(弱アルカリ性低張性高温泉)
・泉温 月岡5号井:50.4℃ 月岡6号井:49.5℃
使用位置:42℃
2ヵ所から同様の泉質の源泉を引いているよう。硫黄の成分が濃いということは、角質を溶かしスベスベの肌が期待できる。低張性のため、長湯をすると足がふやけやすい。源泉自体は激熱だが、浸かる部分は42℃と入りやすくなっているよう。
内観
無料でこの広さは凄いなと驚くと同時に、なぜ横に長くなっているんだろう?と思いました。が、その疑問は足湯に浸かるとすぐにわかります。
お湯に浸かる
足湯に浸る前から成分表通りの硫黄の香り…、よりも強く鼻に残る石油臭。
不思議に思いながらも足を入れてみる。
涼しい日だとちょうど良いくらい、暑い日だと冷たい飲み物がないと逆上せてしまいそうなくらい、9月の夏の暑さ残る日だと額から汗がにじみ出てくるほど。ヒリヒリする感じはなく、じんわりと優しく温められているような湯触り。足でお湯をかき混ぜると、この温泉の何とも言えない柔らかさを感じることが出来る。
さっきから感じている石油臭の正体は。
表面をじっくり見ると、至る所に油膜が張っているのがわかる。まさか、誰かの皮脂?と一瞬思ったが、この油膜の張り方や匂いから、温泉特有のものと思われる。何とも珍しいお湯質だ。そのおかげで、お湯から足を出しても纏わりつく温泉成分、そして油膜。これこそ、化粧水の上に保湿クリームを塗ったようなしっとり感の所以。足元からじんわりと、ゆっくり全身温まり、足先から美人になれそうな気がする。
湯に浸りながら眺める
月岡温泉は、芸妓(げいぎ)文化を今もなお継承している珍しい温泉地だそう。
月岡芸妓と呼ばれ、着物を纏った艶やかな芸妓さんが優美な舞を披露するとのこと。足湯に浸かりながら、さぞかし贅沢な時間を過ごせるのだろうなと思うと、是非ともお目に掛かりたかった…。
時期とタイミングが合えば誰でも観覧することが出来るようなので、旅館に泊まりお金を払わずとも、月岡温泉の文化に触れられる良いきっかけになるかと思います。芸妓とは何か、初めて知るきっかけにもなりました。
月岡芸妓のついて興味のある方はこちら。
→にいがた経済新聞 公式サイトより https://www.niikei.jp/45328/
まとめ
月岡温泉をめぐる旅は、まだ始まったばかり。
ネットで月岡温泉と検索すると出てくるのは、入浴剤のようなエメラルドグリーンのお湯、日によっては乳白色とか。けれど、足湯のお湯は若干青みがかったような感じはするものの、ほぼ無色透明。…不思議ですね。だから温泉は面白いんだと思っています。
実際来ないとわからない石油臭と纏わりつく油膜。温泉目当てが、まさかの芸妓文化に触れること。たかが足湯に来ただけで感じること、知ること、期待すること、されど足湯だと言うこと。
月岡温泉を全く知らずに来たふたりは、この「湯足美」の名の如く、お湯を楽しむ旅をしながら、知らず知らずに足元から美人へと。それは見た目にも、内面にも効能のある温泉だったと気付く日が来るのかもしれません。
*1:月岡温泉観光協会 http://www.tsukiokaonsen.gr.jp/より