ふづきです。
年の瀬が近づいてくると、寒さも相まってか『暖』が欲しくなります。
例年ならば、『団』も当たり前のように集う訳でしたが…。新しいものと言うのは、良くも悪くもうまく付き合うまでは時間と労力を費やすものですね。
『だん』と言っても今回はだん違い?値段を忘れてしまうくらい、モチモチとしたお団子を食べさせて頂きました。前回お団子を食べたのはいつだっただろうかと、そのくらい意外とマジマジと食べる機会がないと言うか、或いは当たり前すぎて記憶の奥底へと追いやられているか、そのどちらかだと思いますが。普段だったらスルーするところを何故か引き留められた。何だかご縁を感じたお団子屋のひとときです。
はじめに
<2020年9月上旬>
新潟県の新発田市へ足を運び、嫁のさつきと大好物の硫黄香る温泉地へ。
そのはずが、まさかの石油臭へと姿を変えるも、元は油田発掘時の偶然の副産物で。100年以上の歴史と文化を守りながら、その香りは今も昔も変わらないものと思うと、何だか特別な感覚に浸れると言うか、身体や鼻に纏わりつく油膜と当時の匂いに時を忘れて、温度と音と香りしかしない世界へと誘われると言うか…。
不思議と落ち着く月岡の温泉街を、ふたりきり。
短い時間ながらもゆっくりと満喫させて頂きました。
www.fuzuki-satuki.com
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その小腹空く帰り際に、目と心とお腹をも射止めたお店がありました。
『結城堂 だんご店』さんです。
月岡温泉街を歩く
足湯(あしゆ湯足美)の無料駐車場へ車を停め、足湯→共同浴場(美人の泉)→源泉の杜(飲泉・手湯)と。ほとんど人と会うことなく、ふたりきりのような街で、感じる時と風の流れはゆったりと。歩くだけならゆっくりでも小一時間ほど。それ以上の満足感を得ることが出来た気がします。
建て直されたのか、元々このような形だったのか。バスが来るまでの時間を過ごすだけではもったいないくらいの、何気ないけれども、何か良いよねと思ってしまうような。深い理由もなく見入ってしまうバス停だったり。
当たり前と言われれば、きっと当たり前なことなのでしょう。
道端にある水車と池。そして鯉。
都会にある噴水も素敵ですが、自然に馴染むこの姿は、懐かしさと安心感を思い出させてくれる気がします。
結城堂 だんご店
元祖おまんじゅう処の結城堂本店の右側にあるのが、店内でも食事スペースのある串だんご屋さんになります。お食事処のような雰囲気ですが、お団子屋さんなので小腹を満たすにはちょうど良いお店となっています。温泉街といい、良い雰囲気を醸し出していますね♪
お店の詳細
・名称 結城堂 だんご店
・所在地 新潟県新発田市月岡温泉641-5
・TEL 0254-32-1167
・営業時間 10:00~17:00
・定休日 火・水
・補足 なくなり次第終了となります
・公式サイト
→結城堂 だんご店(本店右隣) | 元祖 御まんじゅう処 結城堂
・アクセスマップ
出典:Googleマップ
店内の様子
ベージュの内壁と、木造の内装。切株のようなテーブルに木をくり抜いたような椅子に。外からの木漏れ日が、まるで森林浴をしながら木陰でひと休みしているかのような。そんな雰囲気すら感じさせる佇まい。入り口直ぐのガラス越しから、店主の仕込んだ焼きだんごの良い香りが店内に漂う。注文してから焼くため、出来立ての香りも楽しむことが出来る。
店内を見渡すと、奥の壁にほんわかするような絵とポエムが描かれている。曲があれば歌えるのだろうか…。
串だんごを食す
ふづき「どれにしようか?」
さつき「私は、醤油とゴマにする!」
ふづき「じゃあ、きなこと枝豆にしようかな♪」
温泉に入ると意外とお腹が空くもので、ペロリと食べてしまいました…。
お団子はそんなに大好物な方ではありませんでしたが、これは美味しかったです。何が美味しいかって、良くスーパーやコンビニなどで見かけるそれとはまったくの別物。白玉のモチモチと言うより、出来立てのご飯を味わっているかのような、ねっとり感とお米本来の甘さを感じました。
それもそのはず。
店主こだわりの、粉やもち米でなく、魚沼産コシヒカリを名水で仕上げるから出来る逸品のよう。
醤油は香ばしさと甘さがより一層引き立ち、
ゴマは砂糖とは違う甘みと独特の香ばしさが口いっぱい広がり、
きなこは上品な甘さがコシヒカリの甘さと相まって旨さを増し、
枝豆は想像以上の間違いなさ、これは天才です。
嬉しいサービスも
良かったらどうぞ…と。
たまごまんじゅうと、月岡温泉せんべいを、そっと、どうぞと。
こういう心遣いって嬉しいですよね♪
現地で食べる名物って、お土産でもらうそれよりも、遥かに美味しいですよね!お土産ももちろん美味しいですよ。でも、そこの空気や雰囲気が、そのお店の人の気持ちを直に感じることが出来る、それはその土地でしか味わうことの出来ない隠し味だと思っています。
おわりに
正直、月岡温泉のことは嫁のさつきから聞くまで、全く知りませんでした。
石油香る、硫黄の温泉が湧いていること。
月岡芸妓という、温泉地では珍しい芸妓文化を継承していること。
エメラルドグリーンのお湯に変わる乳白色の源泉があるということ。
その土地には、日本一まずいと言われる温泉があるということ。
魚沼産の美味しすぎるお団子屋さんがあるということ。
今まで知らなかった理由がわからないくらい、気付かなかった意味がわからないくらい、不思議で、深くて、けれど面白くて。
毎回、行くところ行くところでそう感じますが、
嫁が見つけて来てくれる場所って、
ホント、来て良かったな…と。
何だかんだ思うこと、感じることがある中で、やっぱりその一言に辿り着いてしまいます。それは、ここに来て、入って、浸って、飲んで、食べて。五感すべてで感じて初めて気付くのかなと、そう思いました。