ふづきです。
季節は深まると、
より情緒や風情を感じます。
夫婦仲は深まると、
言葉足らずともその真意を容易く読み取ることが出来たりします。
考えは深まると、
より良い方向へ導いてくれる時もありますが…。
行動を阻害してしまう要因にも繋がってしまうことが、特に自分の場合には多い気がします。
日を追う毎に、肌に感じる温度や風に乗って纏う湿度が低くなっていることを知り、目まぐるしく変わるニュースの話題と実際とのギャップに、気付く機会が増えたおうち時間の結果。暑さが涼しさを取り込む頃には、目に映るモノが全てではないということを、読み解く必要が出て来そうです。
当たり前に響く虫の音が、いつしか意識しないと聴こえない日常へと変わる頃。
深まる時間は、考える遠い未来よりも、
等身大で行動することの大切さを教えてくれそうです。
はじめに
<2020年9月初旬>
久々にぷちキャンカーを走らせ、嫁のさつきと車旅へ。
本来ならば、気兼ねなく全国津々浦々周りたいところですが…。見えない敵との付き合いは、まだまだしばらく続きそうですね。
さて、場所は新潟県の山奥。さつきが前々から行ってみたいと計画していた温泉地。開放感のある露天風呂、しかも無料で一緒に入れる混浴露天風呂もあるそうなのでワクワクしますね♪(混浴露天風呂は次回UP予定)
妙高と言えば…
山奥と言っても登山をするわけではなく、車と徒歩で行けるところまでしか行っていません。いつかは、登山をしてしか辿り着けない温泉へ行きたいという野望は抱いていますが、まだまだ腰が重いままのようです。
以前訪れた妙高高原温泉郷のひとつ、燕温泉が今回の目的地となります。
前回の記事では、温泉ソムリエ発祥の地ということで、温泉マニアやファンにも支持されている『赤倉温泉 滝の湯』へお邪魔させて頂きましたが、美肌づくりや子宝の湯と効能高く、霊泉とも呼ばれるほどの良質な温泉に癒されました。そこも露天風呂のみの、ありのままを感じることのできる印象深い場所となりました。今回の燕温泉にも期待が高まります。
向かう途中に
その名の通り、ツバメ(特にイワツバメ)が飛び交うことが由来の温泉地だそうで、何だか良い温泉だけでなく幸せまで運んできてくれそうな、そんなネーミングですね♪標高1100mに位置し、6月上旬から11月上旬までの営業と言うところが、雪の深さを物語っています。夏の時期しか足を運ぶことのできない貴重さも、秘湯感を漂わせてくれます。
・燕温泉の地図
※出典:Googleマップ
燕温泉へ向かう手前に、とても気になる温泉がありました。
赤倉温泉や燕温泉とも異なる泉質(塩化物泉)だそうで。
またひとつ来たい場所が増えてしまいました。
大きくなく、静かな温泉街の雰囲気で、ゆっくり癒されそうな気がします。
いざ、燕温泉へ
ふづき「車が結構停まっているね…。混んでるのかな」
さつき「とにかく行ってみよう!」
てっきり、普通の温泉街だと思っていましたが。案内図を見る限り、登山客もここからスタートのようです。温泉目当てで来たので、タオル片手に身軽な格好で来ましたが、周りを見るとトレッキングや登山をするような装いをしている人ばかり。登山しないと入れないのか・・・?不安がよぎります。
それと、何でもない平日を狙ったつもりでしたが、人気のスポットのようですね。
温泉街を登る
いつもなら「巡る」とか、「散策する」という表現を使いたいところですが、なんせ始めから上り坂なんです。
坂道が続いて、しかも豪雪となれば、冬はお手上げですね。タイヤよりスキー板の方が良さそうです。
これは、もしかして、このままずっと坂道を上り続けるのかもしれない。しかも、標高が高いのにあまり涼しくない(30℃越え)という…。夏場はタオルと冷えた飲み物必須です。
両側に立ち並ぶ温泉旅館は、写真からもわかるように鄙びた感があり、味がある雰囲気を感じます。辺りを見渡しながらの上り坂も、このロケーションならば許してしまいそうです。
最寄りの関山駅からバスが出ているようですが、1日7本と少なめ。乗り遅れるとヤバそうですね。
疲れを癒す足湯
登山客や、燕温泉へ来た人たちの疲れを癒す足湯。お気軽に…と柔らかい乳白色をしたお湯に誘われ、どれどれ、お邪魔します、と足を入れます。
さつき「…え!?熱い!!足、真っ赤だよ!」
ふづき「全然大丈夫だよ!気持ちいいよ♪」
どれほど熱いかと言うと、お湯から足を出すと、靴下を履いているかのように真っ赤になっている程度。熱いお湯が好みなのでさほど気になりませんでしたが。源泉付近で、バッタがバッタリとしていました…はい。
これから入る予定の露天風呂『黄金の湯』と『河原の湯』の2種の源泉を引いているよう。硫黄香る貴重なお湯だと知り、足だけでも入っておいて良かったと後から気付きました。後を引かないサッパリしたお湯で、足取りがだいぶ軽くなりました♪
休憩と寄り道
喉が渇いたこともあり、飲み物を買うついでに休憩する。
優しそうな店主のおばちゃんが対応してくれる。この日はいつもより暑いようで、風があればいくらか涼しくなると教えてくれる。さりげない心遣いが嬉しい。
登山の始まり
登山するつもりはないけれど、温泉には入りたい!
案内図を見てみると、地図上はすぐ近くに『黄金の湯』、その先に『河原の湯』があると載っている。この程度の距離なら…と、覚悟を決めて登り始める。
この坂を登れば3分で着くはず…。
(右側の標識が塗りつぶされているのが気になるが…)
ここで簡単な詳細を…
・黄金の湯…分岐を左に進む。温泉街から徒歩5分程、男女別の野天風呂。
(今回はコッチ)
・河原の湯…分岐を右へ進む。温泉街から徒歩15分程、混浴の野天風呂。
(次回UP予定)
補足…どちらも無料の硫黄泉。日の出から日没まで。
冬季閉鎖(雪の状況により変動あり)。
ほうほう、3分と言うのは登り慣れた地元民の足によるものですね。普段運動不足の自分たちにとってはその程度も結構大変で…。きっと、ブーメランパンツの遭難しかけたあの方なら楽勝かもしれませんが。笑
期待させるような看板が出てきましたが、肝心の温泉はまだのよう。さっき、すれ違った人が熊鈴を鳴らしていましたが…こんなお風呂目的の軽装備で太刀打ちできません。
平成7年の時点で開湯百周年というと、単純計算で125周年ということでしょうか?永く在り続けていてくれることは、温泉好きな自分たちにとっては本当にありがたいことです。管理・維持し続けている皆さんに感謝ですね!
露天よりも野天風呂
温泉街から歩いて5分くらいと聞いていましたが、坂道苦手な人は倍くらいの時間を見た方が良いですね。結構息が上がります。
男湯は入り口から丸見えですが、女湯は見えない造りになっているのでその辺は安心かと思います。男女別の開放感のある露天風呂というよりは野天風呂の方が合っていますね。
入り口を入ると、左側に木造の2人位入れる脱衣所、右側に岩をくり抜いたような広い野天風呂があります。これは男女同じ造りになっています。お湯は見るからに乳白色ですね。
脱衣所は狭く、2人でいっぱい。籠は1つのみだったので、譲り合いの気持ちで♪
温泉が近づいてきたと同時に、硫黄の香りが漂ってきたほど。硫黄の濃さが窺えます。乳白色が強く、湯の花が湯底に沈殿していて、かき混ぜるとより濃くなるのがわかります。写真左側より源泉がドバドバとかけ流しされていて、触れると熱く、浴槽内は体感44℃程度に熱めになっていました。陽射しも相まって、肩まで浸かると逆上せてしまいそうになるほど。
少し源泉から離れた場所で、浴槽内の岩に腰掛け、陽射しと風景と硫黄香るお湯を感じながら浸ります。気持ちが良いほど汗が出てきて、湯触りもベタつかずクドくなく、むしろ柔らかい。硫黄独特の刺激感は少しあるものの、嫌な感じは全くせず、湯の花と共に纏わり付く感じが何とも心地良い。
女湯とは少し距離はあるが、声を掛け合って出る合図を取ることが出来るのも良い点。
洗い場や、これと言った排水溝がないため、掛け湯をしたり身体を洗ったりする際は他の方に配慮する必要がありそうです。掛け湯をしたお湯が湯船にリターンすることがあるので、そこだけ注意が必要です。
温泉の成分表は見つけられませんでしたが、黄金の湯、河原の湯ともに硫黄泉のようです。若干の違いはあるようですが赤倉温泉の滝の湯同様、開放感と泉質抜群なお湯がとても気持ち良いですよ♪
まとめ
今回は、最終目的地の混浴野天風呂『河原の湯』手前にある野天風呂『黄金の湯』へ。
紅葉の時期には舞い落ちる色変わりした枝葉が一面を黄金色に染める様子から、その名が生まれたよう。雪の降り積もり具合により冬季休業期間が左右されるのは、自然と共に人と温泉が共生しているからだと感じています。
駐車場で多くの車を見かけた割には、宿泊されているのか、山頂を目指し歩き続けているのか、すれ違う人の姿が少ない様子でした。きっと、妙高の山々を登り終えて、達成感と思い出話と共に仲間と浸かる黄金の湯は格別なんだろうなと。湯に浸かりながら、遠くの見えぬ山頂を眺めながら、思いに更けます。自分は登山はしていませんが、温泉めぐりを続けているといつも一緒にいる『山』と『温泉』は、夫婦のように良い関係性を築けているんだろうなと。詳しく知らないながらも、何だかそう感じたりしています。
硫黄の香る温泉街を下りながら。
温まったはずの身体をまた性懲りもなく、
熱い乳白色のお湯の中へと足入れる自分たちがそこにはいました。
燕温泉の宿泊や営業時間等の詳細は、
新潟県観光協会公式サイトにて確認することが出来ます。
→燕温泉「黄金の湯」「河原の湯」|新潟の観光スポット|【公式】新潟県のおすすめ観光・旅行情報!にいがた観光ナビ