徒然たびたび夫婦旅

温泉、ドライブ、プチ旅行~夫婦二人で気ままにお出かけ日記!

『知床五湖』小ループでも自然と歴史を満喫!写真で見る自然界との距離感とは…【北海道 世界自然遺産】

ふづきです。





カレンダーを眺めると、梅雨が明けたこのうだるような暑さは、それほど長くは続かないことに気付きます。その最中で過ごしていると、短くも長くも、1分が1時間に、1日が1か月のように。感じ方というのは人それぞれ違うと言いますが、どうも、堪える陽射しには同じように答える人が多いようです。

暑い時には涼を、熱い時には水を。それを遮る日陰を探して過ごす日々。

今だけの特別な季節を、今なりに過ごせることは、いつまで当たり前なのでしょうか。想定外で何事も片を付けられてしまっては、波に乗り切れず流されてしまっているだけのようにも感じます。自分勝手とは異なる自分らしさは、いつのいつまでも、忘れずに持っていたい。そんな持ち物のひとつだと思っています。





はじめに



スポーツは好きですが、運動はあまり得意ではありません。
そんなふづきとさつきの巡る旅。大好物の温泉めぐりは少し置いといて、たまにはふらっと森林浴でもしようかと。それは、時には世界遺産だったりするもんで。

写真で振り返る旅も、それはそれで楽しかったりするものだなと。こんな時代にならなければ知らなかったことかもしれませんね。

冷房の効いた部屋でゆっくりと、窓の外から聴こえる虫の声に耳を傾けながら。世界自然遺産『知床五湖を巡って行きます。




簡単に、知床とは


知床(しれとこ)は、日本にある世界遺産登録地域。2005年(平成17年)7月17日、南アフリカ共和国ダーバンで行われた『第29回ユネスコ世界遺産委員会』で「自然遺産」登録が決まった。

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

参照サイト:知床 (世界遺産) - Wikipedia



北海道の北東部にある知床半島は、テレビでよく見る流氷や鮭を獲るヒグマ、温泉の滝で知られるカムイワッカの湯の滝、知床八景のひとつの知床五湖などが有名ですね。実は、あの流氷ヒグマなどのお陰で知床の生態系が成り立っていると知ると、知床に対して興味が湧いてきませんか?今回は、難しい話はナシにして、写真と共に散策していきましょう♪




フィールドハウスから始まる




出典:Googleマップ


知床五湖フィールドハウス外観
それは知床五湖フィールドハウスから始まる旅…

今回は、ガイドを付けての散策となり、全くの無知だったふたりに丁寧に教えて頂きました。まず、この知床五湖フィールドハウスでレクチャーを受けてからのスタートとなります。


知床世界自然遺産 知床国立公園の木製の看板知床五湖周辺の案内板駐車場の様子(当時は空いているが、繁忙期には駐車場待ちが出来るほど)
周辺を見渡してみる

世界自然遺産という言葉を目の当たりにすると、「おお…スゴイ」と、漠然と感じます。それと同時に、ついにここまで来てしまった!という達成感も感じたりしますね。案内板を見る限り、左側の高架木道へは安全に行けるようで、右側の地上遊歩道へは注意事項なり、レクチャーなり受けないと行けない深い森のようです。ワクワクというより、ドキドキします。ここから先はトイレがないとのことで、先に済ませておきます。クマと遭遇したら・・・ますからね。汗。

当時は空いていましたが、繁忙期には駐車場待ちの渋滞が出来るほど。3時間待ちとか…。どれほど人気な場所かを物語っています。


ヒグマのはく製(エサやりがクマを殺す…その理由)観光パンフレットと、天気と知床の観光最新情報
フィールドハウス内、ヒグマと観光情報

本物のヒグマのはく製がお出迎えします。



さつき「…意外と毛が柔らかい!」

ガイド「ちゃんと手入れされているからね」

ふづき「・・・ふふっ。笑」



ここからは人の住処ではなく、ヒグマなどの動植物の住処となります。言い換えると、ヒグマの住処にお邪魔するということ。まずは、その気持ちが大切になります。
話は逸れますが、観光情報を見てもわかるよう、とても自然が豊かな場所です。大自然と直に触れ合える、そして自然の雄大さや恵みを感じることが出来る場所とも言えます。何が大切かを改めて考える、良いきっかけにもなりそうですね。


立入認定証の内容
立入認定証とは

簡単に説明すると、
知床五湖への立入を許可します。ということ。

条件として、

・レクチャーを受講していること。
・外来種(靴などに着いた種子)を持ち込まないこと。
・食事や調理、喫煙などしないこと。
・歩道以外を歩いて湿原の植物を荒らさないこと。
・ヒグマと遭遇した場合は刺激を与えないよう配慮し避難をすること。

等々…

ヒグマと遭遇したら・・・ばかり頭を巡り、一気に緊張感が増します。




深い森の中へ…


知床五湖地上遊歩道入り口と案内図
知床五湖地上遊歩道入り口と案内図

今回は地上遊歩道のうちの、小ループ(1周1.6㎞ 約40分 二湖と一湖)のコースを選びます。大ループだと一湖から五湖まですべて見て回ることが出来るのですが、時間の都合上断念せざるを得ませんでした。クマの目撃情報も連日あり、さらに緊張感は高まります。

ちなみに、入り口手前で、靴底の外来種を落とすためのブラシが用意してあるので、持ち込まないように気を付けます。(ガイドさんは「パフォーマンスだよ!」と言っていましたが…笑)


自然に生えている大麻草
自然に大麻草が…

森へ足を踏み入れて間もなく、



ガイド「これ、大麻草。自然に生えてるものだよ」

さつき「えっ!そうなんですか!?」



初めて見たけれども、他の雑草と変わらない気が…。けれども、そうやって栽培する人もいるんだなと、また違った恐怖が日常にあることを感じました。


白樺の木の幹に残した、熊の爪痕
クマが残した生々しい爪痕

ガイド「これを見て。これが上の方まで続いてる。何でだと思う?」

さつき「クマが登ったんですか?」

ガイド「そう、登った爪痕だね。この木に蔓のような木が絡まっているけども、それが山ブドウ。好物の山ブドウを食べるために登るんだけど、子グマだけじゃなくて親グマも登るんだよ」

ふづき「…。(ふいに周りを見渡してしまう)」


枯れた笹クマの大好物の水芭蕉トドマツの木と樹液
植物を見て、見えてくるもの

やけに枯れた笹を目にするが、昨年の暖冬による雪不足の影響とのこと。例年ならば雪に覆われて浴びることのない冷たい風を浴び、枯れてしまっている笹が多く見られる。異常気象だと言う。


中央の写真にある大きな葉っぱは『水芭蕉の葉』。根を掘り起こして食べますよ!ヒグマの大好物!だとガイドさんより。これが多くあるということは…居ます、と言うこと。ははは…。


右側の写真から。真ん中の木に穴が開いているのは、『アカゲラ(キツツキ)』が開けた穴で、木の中の虫を食べるよう。また、周りに群生しているトドマツに注目すると…



その昔アイヌ人は、狩猟の弓矢にトリカブトの毒を付けるために、トドマツの粘り気のある樹液を使った。



と教えてくれる。

ヒグマの生息地であると共に、アイヌ人の住処でもあったんだなと、見えない姿を想像してしまう自分がいました。


水芭蕉の葉とヒグマの足跡
ヒグマの足跡…

ガイド「これ、ヒグマの足跡」

ふづき「え…。本当にいらっしゃるんですね…




やっと湖が



長かった…。

説明を聞きながらゆっくり歩いたので、それでも30分は掛かってない位。とても有意義な時間に感じました。普段、湯めぐり位しか歩くことがないので、これだけでも汗が流れます。でも、吸い込む空気の美味しさは半端ないです。


知床二湖の看板知床二湖
その名も『二湖』

曇っているけれど、歩く分にはちょうど良い。されど、湖面に映るくらいの風のなさと陽の差し具合。ある意味、これもちょうど良い。湿原と言うだけあって藪蚊や小さな虫は沢山いるけれど、それもまた生態系を維持するために必要なんだなと、湖面を眺めながら感じていました。(虫よけスプレーは必須ですよ)




また森の中へ…



ひとときの休息を味わった後、再び遊歩道を歩き始めます。


遊歩道と森
ちゃんと歩道を歩きましょう

小ループは、二湖と一湖のみのコースとなっています。たったそれだけ?と思われがちですが、思っている以上に満足できる内容になっています。そもそも、クマと出逢ったらその時点で帰還となるので(その時間に散策している他の人たちも同様)、周りきれるかはその時のクマの機嫌に左右されます。無事に周りきれることが第一の目標ということですね。


アカゲラに突かれ過ぎて枯れた木切り株と腰掛け食害(鹿に皮を食べられた木)
自然と共存する生き物がいるということ

先ほど教わった『アカゲラ』は、どこまで欲深いのでしょう。穴を開けすぎな気もしますが…余程お腹が空いていたのでしょうか。


腐敗した木の根からは、それを栄養分としてコケやキノコが生えています。共生ですね。それと、写真では見づらいですが、岩の上に根を張っている木々を見かけます。その大きな岩は、硫黄山から飛んできた噴石だと言います。ここからはかなりの距離があります。相当な噴火だったと容易に想像ができます。噴石だけでは養分が足りずに、地に足を延ばす。そうやってこの森は生き抜いてきたのでしょう。


また、皮を剥がされた木々も見かけますが、これは食害。鹿が食べ物の少ない冬の時期に、木々の皮を食べて生き延びる術だということ。皮を剥がされた木は、道管をも剥がされてしまうために、水分や養分を思うように吸い上げることが出来ずに枯れてしまうとのこと。生きるために必死なのが、見るだけで伝わってきます。冬の時期の鹿の糞がコロコロなのは、水分の少ない木の皮などを食べているからだと教えられました。食事、とりわけ水分って大事だなと、改めて思いましたね。




ここが一湖


青空と太陽
森に陽が差し込む
一湖の看板と湖一湖 湖面に空と雲が映る
晴れ間が覗く『一湖』

ガイド「晴れて来ましたね!」

さつき「ホントだ!明るい♪」

ふづき「はぁ…、はぁ…。運動不足が堪える…」



パッと見、どちらがどっちか言われても、即答できませんが。ガイドさん曰く、水草の少ない二湖の方が綺麗に見えると言います。それは、写真でもわかるように、湖面に映り込む姿を見ると、確かに二湖の方が綺麗かもしれません。でも、これはこれで充分見応えはあります。風景を合わせると、一湖の方がバランスが取れているようにも思えます。個人的には一湖の方が好みです。湖面か空か、わからないくらいのシンクロが素敵に見えますから♪



ガイド「さぁ、折り返しの高架木道へ行きましょう!」




安全な道へ


蝦夷春(エゾハル)ゼミの抜け殻
蝦夷春(エゾハル)ゼミの抜け殻

ガイド「自然の木じゃなく、人が作った柱にくっついてますね」

ふづき「これは今鳴いているセミですか?」

ガイド「今の時期は小蝦夷(コエゾ)ゼミだね。また違う。」



と言われても、どれがどう鳴くのか元を知らないため、後に調べてわかることだが。小蝦夷ゼミは、高音で「ジジジジジジ…」と鳴き、蝦夷春ゼミは始めは低音で「ンーミン!ンーミン!」からの少し高い音で「リリリリリリ…」とリズムを刻む。




高架木道と風景
高架木道はとても…

高架木道はなぜ安全なのか。

高さがあり、周囲に7000Vの電気柵が張り巡らされているため、クマが上がって来れなくなっているそう。人とクマの知恵比べですね。


遠くにバンビ(鹿)がいる柏餅の葉っぱの木
綺麗な自然が保たれているのは…

見惚れるような自然が一面に広がっています。
遠くから、「メェ~!」と鳴き声が…。目を凝らすと、バンビ(鹿)がこっちを見ています。普段、鹿は単独行動はしないので、近くに仲間がいるということです。

右の写真の木なんですが、わかるでしょうか?



ガイド「あれは、柏餅の葉っぱだよ」

さつき「えー!そうなんですか!」

ふづき「初めて見た!」



柏餅は食べたことはあっても、葉っぱが生えているところを見たことがなかったので、あまりに普通の木過ぎて驚きました。潮風に強いため、この地域に自生できるよう。




知床の豆知識(歴史編)


オホーツク海と流氷についてしれとこ100平方メートル運動(斜里町主催)についてエサやりがクマを殺す~ヒグマと共存するために私たちができることについて
知床についての説明がされている

高架木道に説明がされていることに、少しだけ触れてみます。

冬季に有名な知床の流氷。源流はモンゴルの山奥。流氷はアムール川から来ているといいます。プランクトンを多く含んだ流氷は知床の海を豊かにし、多くの生き物(鮭など)が育ち、それをクマが食べる。それが知床の食物連鎖だとガイドさんは話しました。



今見ている森や自然は、かつては農業や酪農と共に営んでいたそう。時代の流れと共に、リゾート地への開拓の危機にさらされていきました。この知床の土地を守るために、少しずつ土地を買ってもらった。それがしれとこ100平方メートル運動だといいます。すべての土地を買い取るまでに33年の月日が掛かったとか。加えて、ガイドさんはこう言いました。



5年で破壊した自然は、元の姿を取り戻すのに500年もの月日が掛かる。

と。



ヒグマは、元々自然の中で暮らしています。一定の距離感を保って、人と共存してきました。それが、観光客には珍しいと。車から食べ物を投げやり、徐々に人間の食べ物の味を覚えていきます。その人にとっては、ただあげただけ、かもしれません。良かれと思った行為かもしれません。しかし、人間の食べ物の味を覚えたヒグマは、人里へ降りてきます。農地を荒らし、場合によっては人に危害を加えてしまうことがあります。それにより、人の手で殺めなくてはならなくなります。始まりはどこでしょうか…。とても考えさせられる内容でした。


エサやりがクマを殺す、その内容
エサやりがクマを殺す…
知床の豆知識(驚き偏)


高架木道と風景高架木道付近の豊かな自然
高架木道と周辺の豊かな自然

ガイドさんから教えてもらった驚きの情報を紹介します!


厳密に言うと、川もなく深さもないため、知床五湖は湖ではない。水溜まりか池ということに…。


知床の冬はとても寒く、場所によってはー30℃にもなるところも。


高架木道は、全長800mすべて手作業。世界自然遺産であるため、重機が使えない。


高架木道の費用は、なんと7億円とか!
地元の人は『高価木道』と呼んでるらしいです。笑。


もし、ヒグマと近距離で出くわしてしまったら…。
慌てずに向き合って、両手を斜め上に大きく広げると、ヒグマは乱視なので近くのものがより大きく見えるために、自分より大きいと錯覚するそう。怯んだ隙に、ゆっくりと目を逸らさずに後退りして距離を取り、急がずに避難すると良い。


クマ避けの鈴と同様、クマに自分たちの存在を知らせるために、声を出すことは大事。(クマも人間と会いたくて会っているわけではない、ということ)


世界自然遺産なのに、クマが出ると制限されたり、多くの人の出入りにより環境保全と安全の維持が難しい、という理由で足を踏み入れたり湖を見たりすることが出来ない。というところから高架木道の話が進んだそうです。


ガイドさんのような先生がいたら、きっと社会や歴史の授業が好きになっていたことと思います。





まとめ



今回は、五湖すべてを周ることが出来ず、一湖と二湖のみとなってしまいました。しかし、文字として思い起こしてみると、当時に感じた感動や目の当たりにしたありのままの自然を、写真と共に振り返ることが出来ました。


一湖、五湖、などの案内板と細道足元の悪い森の道
細い道やデコボコ道

自然って、なんで綺麗だと感じるのだろう。時に感動を覚えるのだろう。


何十年、何百年もの月日と共に、人や動物たちと様々な葛藤を乗り越えつつ、ちょうど良い距離感を見つけられたこと。それに、流氷というある種のご褒美がもたらした結果が、きっと奇跡とも呼べる確率で絶妙なバランスを保ったのだろうと。その姿には、多くの命と思いが込められているから、目に映るモノは、そこにあるモノだけではなくて、その奥にあるのもすべてが入ってくるからなんだろうと。



自然を大切に、とか、命を大切に、と言葉では簡単に教えられることはできるけれども、身に染みて感じなければ伝えることも出来ないし、伝わることも出来ないんじゃないかなと。なんだか、この森のように、深く、深く、けれども優しく、温かく、わかるようで言葉では言い表せない、何か大切なものを教えられた気がします。



ガイドさんの言った、

「だから、この仕事がしたくて、ここに移住した」

という言葉が、

とても、重く、

けれど、引き込まれるような、

まるで知床の流氷のような栄養素を、

自分たちふたりに与えてくれたように感じました。





そう、

これからの、ふたりの原動力の源となるように…


夕暮れと、前へと進む、ふたりの後ろ姿
ふづき と さつき




同行して下さったガイドさんの公式サイトはこちらから↓
知床清里町ウエネウサルみどり



知床五湖の公式サイトはこちらから↓
知床五湖 二つの歩き方|環境省





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