ふづきです。
諏訪湖湖畔にて、早朝4時頃に何かの鳴き声が。
「グワッ!グワッ!グワッ!」
「ガッ!ガッ!ガッ!ガッ!」
・・・(;´д`)ナニガオキテルノ?
車窓から湖を見ると、カルガモの集会が始まっていました。朝早くからご苦労様です。
車中泊の朝を迎え、さつきの作る朝ごはんをいただきます。ドアを開け、湖畔を眺めながらの食事は格別です。
些細なことが幸せだと感じる瞬間です。
車窓から、ふづき撮影
外に出ると、気持ちの良い青空、そして、湖畔からのそよ風、何よりこの眺望は何事にも代えがたいものがあります。
そんな時…地元の方と思われる、強面のおじさんが近寄ってきました。
おじさん「写真撮ってやろうか?」
さつき「大丈夫です。(キッパリ)」
おじさん「海をバックに撮ってやるから!」
ふづき「(海?諏訪湖は海だっけ?)…じゃあお願いします」
さつき「(…めんどくさそうな人だな)」
おじさんに写真を撮ってもらうと、なぜか近くに腰掛け、話が始まります。
おじさん「ここは良いとこか?毎日いると良さもわからないわ」
観光客が少ないのか、穴場なのか、自分たちにはとても素晴らしい場所だと思うが、おじさんはなぜか寂しげに語り始める。
おじさん「昔は休みなく働いて、子供たちも育て上げて、今ではお金に困らないくらいの仕事に就いて…、子供のために家建てたのに住んでもくれなくて、俺は退職してからやることがなくなって。…金はいくらでもあるんだよ。なのに、やることがなくてさ。若いときは海外旅行もしたし、社員も一杯就けて会社やってたけど、結局誰も付いてこなかった。仕事はうまくいってたけど、それ以外が全然うまくいかない。」
一生懸命、家族のために、家庭のためだけに働いてきたのだろう。だから立派に子供が成人して独り立ちして、一見理想の父親にも見えるが、その背中は哀愁を感じる。
おじさん「幸せそうでいいな」
自分たちを見ておじさんは言った。
奥さんと出掛けることも今はないそう。
幸せとは何なのか、それは人それぞれ違うもので、一概にこれとは言えないものだか、自分にとって
「大切な人と、想いを共感できること」
それが幸せだと思っています。
きっと、自分たちには、おじさんが持ってないものを持っていることに惹かれて話しかけてきたのだと思う。
もし、今後おじさんと会うことがあるならば、自分たちにも家がほしいと伝えたいと、密かに思うふづきであった。笑。
おじさんと別れ、温泉巡りを再開。
今回は上諏訪温泉の共同浴場へ、レッツゴー♪
σ(≧ω≦*)≡3≡3≡3
秘湯マニアにも人気のある共同浴場がここにはあります。
その名も【大和温泉】。なぜ秘湯と言われるのか、まず上諏訪温泉の共同浴場のほとんどが、地元民だけが利用でき、一般客には開放されていません。また、下諏訪とは違う泉質であり、山奥ではなく住宅街の中にあり、ナビを使っても「目的地周辺です。お疲れさまでした」と探すのに苦労する場所にあるのもその理由かもしれません。
近くの駐車場に車を停め、歩いて探します。
…見つけました!
【大和温泉】ふづき撮影
本当に住宅街の中、家と家の間に挟まった入り口。
「これはヤバイ!普通の家じゃん!入って良いの?」
今まで多くの共同浴場に巡りあってきましたが、こういう形の出だしは初めてで、驚きと興奮が襲います。
狭い門を抜けると、中庭に出て、中年の細身の、個性的なおじさんに入浴代を支払い、説明を受けて、いざ温泉へ。
【脱衣所のレトロなオブジェ】ふづき撮影
脱衣所は、昭和初期のような雰囲気で、木枠のロッカーに、壁の隅にはブリキのマジンガーZが待ち受けています。
服を脱ぎ、浴室へ入ると、タイル張りの壁に、浴槽はステンレスという珍しい組み合わせ。まるで台所のシンクのようです。そこにはエメラルドグリーンの、微かに硫黄の香る、滑りのあるお湯が注がれているのです。
【大和温泉】ふづき撮影
泉質:単純硫黄泉
雰囲気だけでも堪らない、蛇口を捻ると源泉がドバドバと流れ出て、とても貴重な温泉に至福の時間が流れました。
地元の方と思われるおじいさんが二人、入ってきたところで、切り上げます。
ふづき「すっごいね!」
さつき「めっちゃぬめってたよ!」
興奮冷めやらぬうちに、次の温泉へ。
諏訪で唯一飲泉所がある、神宮寺温泉へ。
そう、飲泉して温泉を持ち帰って、それでご飯を炊くのが楽しみなんです!
・・・見つからない。本当にあるの?
途中でどしゃ降りの雨に。早く見つけなければ。
・・・あった!
3枚とも【神宮寺温泉 飲泉所】ふづき撮影
これまた住宅街を抜けて、車1台がギリギリ通れる細い路地を抜け、お地蔵さんが並んでいる空き地に車を置かせて貰い、急いで汲みに行きます。こうやって一般の人でも汲めるところは少ないので、本当にありがたいと思います。
今夜は温泉ご飯だ!d=(^o^)=b
旅の〆は【宮の湯】にします。
ここも有名なのか、温泉街からは外れたところですが、他県ナンバーが来て写真を撮ったりしています。
【宮の湯 看板】ふづき撮影
【宮の湯 入り口】ふづき撮影
天下の名湯と書かれてるとは、知らなかった自分が恥ずかしいですね。泉質はナトリウムー塩化物泉。2種類の源泉を引いてるようで、熱湯と冷鉱泉になってます。
【宮の湯 熱湯】ふづき撮影
【宮の湯 冷鉱泉】ふづき撮影
平たい木の椅子に座り、カランを押すと、滑りのある水が。源泉が使われています。身体を洗い、熱湯へ。白い湯花が舞う、若干滑りのある柔らかい肌触り。ちょうど良い温度(体感42℃位)で温まった後に、小さめの浴槽の冷鉱泉へ。こちらは黒い湯花が舞う滑りのある水。これまたちょうど良い冷たさ(体感25℃位)。熱湯と冷鉱泉に交互に浸かり、永遠に入っていたい気持ちに駆られます。
さつき「そろそろどう?」
ふづき「上がろうか。」
身体の芯から温まり、肌はスベスベに、身も心も清々しい気持ちで旅を終えました。
旅をすると、色んな温泉があることを知ります。
旅に出ると、色んな人に出会い、色んな考え方があることに気付かされます。
家と職場を行き来していると、視野が狭まり、息詰まることがあります。
そんな時は、旅に出て、世界の広さを知って、自分の小ささに気付いて、また前を向いて日常を送りたいと思えるように、これからもさつきとふたりで一緒に歩んでいきたいと思います。