徒然たびたび夫婦旅

温泉、車中泊、プチ旅行…。夫婦ふたりで気ままにお出かけ日記♪

『さんふらわあ さっぽろ』~20th ANNIVERSARY~想いを乗せて、イクラも乗せて…【商船三井フェリー】

ふづきです。





旅をすることは
自分を知ること

そんな言葉を耳にしたことがある

どこかへ行くと
そこにはそこの世界が在って
同じ国なのに
まるで異なる空気感

不思議な国ではないけれど

迷う日常の静寂より
臨む旅路の喧騒を

肌で感じるその風は
忘れ得ぬ学びとなって
歩む日々の推進力へ…





はじめに



<2021年 7月>


主に車旅を好んで旅をしている夫婦ですが、
嫁のさつきイチオシの船旅に足を踏み入れてから、自分ふづきもその魅力へどっぷりとハマってしまいました。



船旅とはどんなものなのか。

またその魅力とは何なのか。



いつか近い将来、自慢のぷちキャンカーを載せて北海道を車中泊をしながら回りたい!と計画している最中、よくお世話になっている商船三井フェリーが20周年を迎えるという話を嫁のさつきから耳にしました。その日限定のサービスがあるようで、これは是非とも利用してみたいと思い立ちました。


今回は車は載せず、夫婦ふたり旅。


前回記事にさせて頂いた『さんふらわあ ふらの』と船内はほとんど変わらない『さんふらわあ さっぽろ』での船旅。20周年Anniversaryという贅沢な時間を満喫してきました。

何が贅沢か?

それは、もちろん…。



www.fuzuki-satuki.com
船内の様子はこちらの過去記事↑↑を見てもらえると分かりやすいと思います。大洗港と苫小牧港をおよそ18時間で結ぶカーフェリーです。



商船三井フェリー公式HPはこちらから↓↓
https://www.sunflower.co.jp/




記念日は曇り空


大洗港から出港する「さんふらわあ さっぽろ」。20th Anniversaryはあいにくの曇り空。
記念日は曇り空

どんなイベントが待ち受けているのかワクワクしますが、さきほどまで小雨降るあいにくの空模様。自分たち夫婦は「晴れ男晴れ女」なので(きっぱりと)、雨も上がってくれたのでしょう。

船上からの星空も楽しみのひとつです♪




受付の賑わいは…


大洗港から苫小牧港へ、三井商船フェリー(今回はさんふらわあ さっぽろ)へ乗るため、大洗フェリーターミナル内の様子を撮影。20th Anniversaryとのことだが、客はまばら。
大洗港 乗船受付け

平時よりは人がいるものの、繁忙期と比べたらかなり少なく感じる。このような時期の記念日となったことを、スタッフたちはどのような気持ちで迎えたのだろうかと。幾度か利用させて頂いている身としては、少し寂しさを感じてしまう。一方、嫁のさつきは「応援してあげたい!」と前を向いている。いつもながら、見習わなくてはと心の励みにしている。




前回よりも1ランクUP


「さんふらわあ さっぽろ」客室コンフォートの様子。プライバシーを確保したテレビ付き寝台となっている。
今回は雑魚寝ではなくテレビ付き寝台

前回は、11名1室のカーテンで仕切られただけの「ツーリスト」という客室を貸切状態で利用させて頂きましたが、今回は上下1名ずつ(2段ベットのような仕様)で各々にテレビ付きというちょっと贅沢な客室「コンフォート」へとランクアップしました。


「さんふらわあ さっぽろ」客室コンフォートの様子。寝具、スリッパ、テレビ、コンセントなど一通り揃っている。2m程の幅があるので、長身の方でも安心。寝るだけなら十分なスペース。
寝具、スリッパ、テレビ、コンセントなど一通り揃っている。

大部屋を貸切も、それはそれで贅沢でしたが。休む時はいくらか狭い方が何だか落ち着きますね。航海中はスマホの電波がないので(無料Wifiを利用することも出来ます)、テレビを見るのも良いのですが、展望ラウンジから延々と続く海原を眺めたり部屋で波の揺れを感じながら何も考えずに横になって過ごすのもココでしか出来ない贅沢だと思っています。




20th Anniversary


「さんふらわあ さっぽろ」20th Anniversary特別イベントのご案内。ウエルカムドリンクのサービスや花火打ち上げ、夕食バイキングにイクラかけ放題など特別メニューあり。
記念日限定サービス

この特別な1日限定のイベントがあるよう。

花火打ち上げ…悪天候の場合中止とな。
大洗港に着いてから雨が上がり、晴れ男晴れ女パワーできっと晴れるはず…。

それより目を引くのは、夕食バイキングの内容。
通常メニューに加えて、

いくら醤油漬けかけ放題

和牛ローストビーフ

蟹といくらの祭り寿司…。

これは事件、いや、祭りですね!
いくら祭り確定です♪




Welcome Drink



普段ならば、乗船すると直ぐにスタッフが客室へと案内してくれますが、この日は違いました。連絡通路を抜けて、エスカレーターで船内フロントへ上がったところ。船長らしき人とスタッフ一同が笑顔でお出迎えをして下さり、促すその先には見られない光景が…。

「さんふらわあ さっぽろ」20th Anniversary限定のウエルカムドリンクのサービス。スパークリングワインかリンゴジュースを選べる。「さんふらわあ さっぽろ」20th Anniversary限定のウエルカムドリンクのサービス。スパークリングワインかリンゴジュースを選べる。スタッフが乾杯用のグラスにワインを注いでいる。
ウエルカムドリンクのサービス♪

20周年記念ということで、
ウエルカムドリンクのサービス♪

スパークリングワインリンゴジュースを選べるようですが、迷わず前者を注文。グラスを持ちながら辺りを見渡すと、笑顔で楽しそうにしているのはスタッフの皆さん。乗客の記念写真を撮ったり、ぎこちない様子でワインを注がれたり。そんな最中、どこからともなく聞こえてきた言葉に心を揺さぶられました。



皆様のおかげで、
この日を迎えることが出来ました。

これからも、
皆様に安心安全な素晴らしい旅となるよう、

運行を
続けて参りたいと思います。




「さんふらわあ さっぽろ」20th Anniversaryでのウエルカムドリンク。スパークリングワインで乾杯♪
20周年に乾杯

この状況下で、色んな不安やリスクを抱えながらも、それ以上に対策と信念を貫いてきたからこそ、こうやって思いを分かち合える仲間たちが居てくれて、だからこそ自分たちのような利用者が足を運び続けてくれるんだろうなと。

複雑な思いが交錯する現状で、
このひと時だけは何だかほんわかするような。胸が熱くなるような感覚になりました。




出港30分前



特別イベントのご案内に書かれていた「出航30分前のお知らせ」のアナウンスがあり、展望デッキへと足を運ぶ。



「ドゥオ~~~~ン」



「さんふらわあ さっぽろ」20th Anniversaryのイベントにて。出航30分前を知らせる銅鑼の音が船内に響き渡る。
出航30分前を知らせる銅鑼の音

スタッフが銅鑼を鳴らしながらデッキを回っている。

普段だったら何気なく聞き流してしまう音でも、特別な日を迎えられた言葉を聞いてからのそれは、心の奥へと響き渡るものに変わる。その振動は、何を揺さぶるのか。銅鑼から空気を伝わり、衣服から肌へ。物理的にも感じる形のない振動は、大げさかもしれないけれど、20年もの時を経てこの先届くところまで。見えるわけもない音の行く先を、なぜか目で追ってしまう自分がいた。




「さんふらわあ さっぽろ」から望む、夕暮れ時のマリンタワー。夕陽が落ちた数分の、とても贅沢な一面。 
夕暮れ時のマリンタワー

正確に言うなら、陽が落ちた後すぐの魔力のある数分間。

この時間帯だけは、魅力的なものが人工的では作り上げられない程に魔力を増すひととき。これが都会だったら、一際高いマリンタワーは影を潜めてしまうけれど。一度登ればもう登らなくてもいいやと思う建造物でも、この魔力に掛かれば何度でも見たくなる。人間の目は本当に我儘だなと、呆れてしまう。




船内レストラン



さて、

ここからが本題です。


「さんふらわあ さっぽろ」船内レストラン。朝食、軽食、夕食と時間が割り振られている。大洗発と苫小牧発とで時間が異なるので注意。
船内レストラン

いくら祭りの会場となる船内レストラン。

多勢が夜景に見惚れている隙に、打ち上げ花火が見られる席を確保しました。ものの数分後には、レストランに入場待ちの渋滞が起きていたので、ラッキーですね♪


「さんふらわあ さっぽろ」船内レストランの窓側席より。花火打ち上げ場所の大洗サンビーチが望める。街灯が花火のように海面に映し出されている。
花火打ち上げ場所の大洗サンビーチが望める。

天気は想定通り。

晴れとまではいかないものの曇りをキープしていて、予定通り花火は打ちあがりそうで一安心。街灯が海面に花火のように見えるのが綺麗。




特別メニュー



言葉より目で見た方が伝わるのが「美味しさ」

ということで、写真でお届けしたいと思います。


「さんふらわあ さっぽろ」船内レストランの様子。バイキング形式(食券システム)になっている。
船内レストランはバイキング形式(食券システム)
「さんふらわあ さっぽろ」20th Anniversary特別メニュー追加の夕食バイキング。写真は「フルーツ」と「蟹といくらの祭り寿司」。
手前はフルーツ、奥には「蟹といくらの祭り寿司」
「さんふらわあ さっぽろ」20th Anniversary特別メニュー追加の夕食バイキング。写真は「白老焼きシイタケ」。肉厚でとても良い香りがする。
肉厚でジューシーな白老焼きシイタケ
「さんふらわあ さっぽろ」20th Anniversary特別メニュー追加の夕食バイキング。写真は「ボイルズワイガニ」。
説明要らずのボイルズワイガニ
「さんふらわあ さっぽろ」20th Anniversary特別メニュー追加の夕食バイキング。写真は「和牛ローストビーフ」シェフがその場で切り落としてくれる、トロットロのお肉。
トロットロの、和牛ローストビーフ
「さんふらわあ さっぽろ」20th Anniversary特別メニュー追加の夕食バイキング。写真は「いくら醤油漬け」。臭くなく粒々で甘いいくらがかけ放題!
光り輝く、いくら醤油漬け(かけ放題)



オススメは、もちろん「いくら」と「ローストビーフ」と「白老しいたけ」と…。バイキングのメニューって、たかがバイキングと思われがちですが、この日の力の入りようは凄まじかったですね。関東のいくらはとても…ですが、北海道産の逸品のためとても粒々していて甘い。ローストビーフは干からびているようなものではなく、ミディアムレアのようなトロトロ感があり、白老しいたけは肉厚でバターとしいたけ本来の香りが強く美味。間違いなく2000円以上の価値はあります。




いくら祭り


「さんふらわあ さっぽろ」20th Anniversary特別メニュー追加の夕食バイキング。プレートに一通り乗せて、美味しいものを選別。
初めはプレートで一通り…

まずは、一通り味見タイム。

意外に期待していなかった伏兵が魅力を発揮したり(水餃子が案外旨かったんです)、けれど、大本命のいくらとローストビーフは裏切りませんでした。


「さんふらわあ さっぽろ」20th Anniversary特別メニュー追加の夕食バイキング。蟹といくらの祭り寿司のはずが、蟹といくらの姿が見えず…。海老とサーモンとマグロのチラシ寿司のよう。
蟹といくらの祭り寿司?

蟹といくらは…?
脇役だけでも美味しかったですが…。


「さんふらわあ さっぽろ」20th Anniversary特別メニュー追加の夕食バイキング。白老しいたけ。とても肉厚で、バターの香りがしながらもしいたけの旨さ香る逸品。
「白老しいたけ」はおかわりしました

しいたけのソテーは元々好きなのですが、バターで焼かずとも美味しいと思えるくらいの本来のコクのあるキノコ汁が噛むたびに出てきて、口の中が和の出汁で満たされました。目を閉じて味わいたいほど。


「さんふらわあ さっぽろ」20th Anniversary特別メニュー追加の夕食バイキング。生肉のようなトロットロのローストビーフ。
生肉のようなローストビーフ

これは今まで食べたローストビーフの中で一番旨かったですね。まさかこんなところで出逢えるなんて思ってなかったです。


トロットロなんです。


いくらが付いていますが、あのいくらに負けないほど甘い。旨い。口の中でトロけて舌に纏わりつく肉の脂がまた旨い。


「さんふらわあ さっぽろ」20th Anniversary特別メニュー追加の夕食バイキング。いくらの醤油漬けを豪快にどんぶり飯にぶっかけて食べる贅沢。
いくらドーン

思い出すだけで口の中が涎で一杯になりそうな。

初めは備え付けの小鉢で少量ずつ持って来ていたのですが、向かいの嫁のさつきを見ると、初めからどんぶりに掛けているのを見て、


「それ正解!」


というわけで、豪快にいくら丼でいただきました♪
ひとつひとつは小ぶりの粒々でしたが、弾けるたびに濃厚な旨味と濃い甘みが噴き出し、噛むたびにご飯の存在を忘れてしまいそうになるほど。これは食べ過ぎて痛風になるやつだと思いながらも、はち切れるほど食べ尽くしてしまう。まさに「いくら祭り」でした。




打ち上げ花火


「さんふらわあ さっぽろ」20th Anniversary 大洗サンビーチに打ち上がる花火
レストランから望む、記念日の打ち上げ花火

陽が落ちて暗闇が増す頃。

乗船する人にしか知らせていないのだろうか。近隣には人だかりはなく、ちらほら散歩している人しか見受けられない。シークレット花火なんて、それだけでも気持ち的に贅沢に感じさせてくれる演出は嫌いじゃない。



数発上がるだけだろう。

そう思っていたら、しっかりと起承転結のようなストーリーで飾ってくれたことに驚いた。
この日のために、入念な準備をしてきた苦労を垣間見つつ、嫁のさつきの言っていた「応援したい」気持ちが強く湧いたのは言うまでもない。





おわりに


「さんふらわあ さっぽろ」20th Anniversary大洗港を出港し、港からお見送りの人たちの振る光を、最後まで見届ける嫁の姿。
お見送りの光が見えなくなるまで…

笑顔で楽しさと共に始まった20周年という記念日。

普段とは雰囲気を変えた演出に、一番喜びを感じたのは誰だろうか。乗客?それとも…。



これからが船旅のはずなのに、すべてを持って行かれたような、なぜか寂しさすら感じさせる出航の汽笛。乗船を始めてから5時間余り。ワクワク、楽しみ、満足、満腹、感動、そしてまるで大切な人との別れを惜しむような悲壮感。船の魅力は、車や飛行機では味わえないくらいの、大海原のような答えのない問いと、深海のような届きそうで届かない、けれど広い器で包み込んでくれるような。

「浪漫がある」

という言葉は、果てのない水平線の先を見たからなのかもしれない。

なんて、ふと考えたりしてしまう。




「さんふらわあ さっぽろ」と日の出のロゴマーク
「さんふらわあ さっぽろ」と「ロゴマーク」

スタッフたちの
喜んでいる姿や笑顔がとても印象的だった。
このご時世でなければ乗ることの出来なかった船かもしれないと、今となっては思う。そういう意味でも、とても貴重で良い経験が出来たなと感じた。

何が正解で、何が間違いなのかはわからないけれど、
縁もゆかりもないけれども、またあの笑顔が見られたらいいなと願ってしまう。





出航した港が見えなくなり、
暗闇の海原で風を感じながら。

日常なら決して考えもしない、
感じもしないこの感覚を覚えることが「贅沢」であり、他でもない「魅力」なのだろうなと。

そう、自分は思っている。



きっと、
あのいくらの味を決して忘れない…と思う。




「さんふらわあ さっぽろ」20th Anniversaryの展望デッキにて。ふづきとさつきの後ろ姿。
ふづき と さつき





ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村