ふづきです。
季節の変わり目は、いささか風が強く吹いたり、気温や天気が目まぐるしく変化します。
家にいる時間が増えたので、たまに外へ出るときの服装選びが困る頃でもありますね。それと同時に、変化が大きいということは、体調を崩しやすい頃とも言えますので気を付けなければいけません。
幼い頃から学生時代までは身体が弱く、毎日のように鼻血を出して心配をかけたときもありましたが。社会人となり嫁のさつきと出逢ってからというもの、鼻血どころかめっきり風邪ひとつ引かなくなったのは事実です。嫁の日常のサポートのおかげも大きな要因ですが、共通の趣味である温泉めぐりを始めたということもひとつあると思っています。温泉を含めた自然界のものは、科学では証明できない人との在り方を教えてくれて、生きていく上では欠かせないものだと考えています。
堅苦しい話はさておき…、
温泉で気持ちも身体もリフレッシュしたい!
入るなら雰囲気のある温泉が良い!
と、
思い出す佇まいがココにはありました。
はじめに
<2020年12月>
竜宮伝説発祥の地である鹿児島県の指宿市。
嫁のさつき(乙姫様)と共に、亀の足ならぬウサギのような足で駆け巡ったわけですが、さすがは竜宮城の地。ゆっくりのんびりするべきでした。ここだけでも良かったと思えるような、ポテンシャルの高さとまさかの温泉の数の多さ。玉手箱の蓋をそっと閉めて、また来られる時まで楽しみを残しておきたいと、そう思わせてくれる場所がココ指宿です。
砂むし温泉が有名ですが、ホクホクで甘みの増した温泉蒸しや、1位にも輝いたことのある絶景露天風呂など、どこを切り抜いても絵になるようなおすすめスポットです♪
www.fuzuki-satuki.com
今回は、
そんな有名ドコロの中でも、選び抜いた(実際は時間がなくて…直感で一番良さげな場所を選ばせて頂きました…)共同浴場に足を運ぶことに決めました。
指宿駅からレンタサイクル
時間の関係上、2時間で。
ひとっ風呂入らせて貰いにチャリンコを漕ぎます。
レンタサイクルですが、指宿駅内の総合観光案内所にて申し込みをすると、電動アシスト付きの自転車を借りることが出来ます。受付のお姉さんから、「電動アシスト付きですが、使い切ってしまうと充電が出来なくなるので気を付けて下さい」と言われ、使いたいけれど充電が出来なくなってしまうのではないかという怖さから、ほとんど使わずにギアの変則だけで乗り切りました…笑。アップダウンの少ない地形のため、そこまでしんどくはないかと思いますが、くれぐれも時間に余裕を持って出かけた方が良さそうです。
それはなぜか?
共同浴場は目立つような場所になく、目を引くようなような建物ではないことが多いので、見つけるのに時間が掛かりましたから…。
弥次ヶ湯温泉
定休日?…あ、明日か。
予告の看板を出す共同浴場も珍しいなと、明日新装入替のパチ屋の看板を思い出したことは言うまでもありません。そう言えばパチ〇コを辞めてから数年。時折耳に入ってくる効果音に反応してしまうことはあっても、店に入ることはなくなったなと。嫁から褒められる唯一のことがコレだったりすることも言うまでもありません…苦笑。
話が逸れてしまいましたが、
ココに辿り着くまでだいぶ遠回りをしてしまい、1時間近く掛かってしまいました。スムーズに来れば指宿駅から自転車で10分あれば着くと思います。
古民家風の佇まいは今までも見かけたことはありますが、風ではなく、リアルな古民家です。
明治25年創業と言うことは、129年目を迎えると言うこと。当時から湯治場をやられていたのでしょうか?その数字を聞くだけでもロマンを感じてしまいます。内装はどんな雰囲気で、どのような表情のお湯が待ち受けているのか楽しみです♪
受付に入ると、このような時期なだけに注意書きが載せられています。仕方のないことですが…残念ですね。引き返そうとすると…
受付のおじさん「そう書いてあるけど、大丈夫ですよ。休憩所もあるので、ゆっくり休んでって下さい」
ふづき「え…。良いんですか?ありがとうございます!」
受付のおじさん「洗い場のあるこっちのお風呂(大黒湯)は温くて、そっちのお風呂(弥次ヶ湯温泉)は熱いけど…、今はだれも入ってないみたいだね」
さつき「そっち(弥次ヶ湯温泉)で良いです!」
右側の建物が今回入らせて頂く『弥次ヶ湯温泉』になります。小さな文字ですが、建物の上部には、弥次ヶ湯温泉と言う文字と共に、自然湧出、ラジューム含有と書かれています。自然湧出された源泉をそのまま掛け流している、洗い場のない浴槽のみの内湯のようです。
左手の建物には、受付と『大黒湯』という、弥次ヶ湯温泉に比べて温めに加水されている洗い場のある内湯があるとのこと。
複雑な思いに駆られながら、けれど優しさという温かさに触れられた瞬間でした。
詳細
・名称 弥次ヶ湯温泉
・所在地 鹿児島県指宿市十町1068
・TEL 0993-22-3030
・営業時間 8:00~21:00
・料金 大人350円/小人100円
・定休日 木曜日
・泉質 不明(塩化物泉?)
・泉温 42℃位(体感)
・補足 源泉かけ流し(一部加水あり)
※温泉分析書未確認のため、泉質等不明。
・公式HP 不明
・地図
※出典:Googleマップ
湯に浸かる
不思議な造りで、男湯の脱衣所より低い位置に浴槽があり、脱衣所から全体を眺めることが出来る。木枠の浴槽と男女を隔てる壁以外はコンクリートで作られている。この鄙びた感じというか、ただそこに昔から在る、という存在感が堪らない。
お湯の見た目は、薄緑に濁ったような、幾分透明度のある感じ。キシキシするかと思いきや、意外と滑らかでしっとりと肌を纏う。舐めると舌に塩味を強く感じる為、塩化物泉ではなかろうか。それ特有の塩生臭い香りを鼻の奥に感じ、それを包むかのようにまろやかな温泉臭が香る。
言葉での表現が難しいが、決して嫌な香りではなく、どんな温泉なのだろうと探りながらのワクワク感も堪らなく好きだ。
短時間での入浴(30分程)だったが、温度以上に湯上りは身体がポカポカし、汗が引かないほど保温効果が感じられた。シャンプーなどのアメニティーは一切ないので、持参必須。
湯上がりに…
入浴を終え、店主へ挨拶をし自転車へと向かう。
汗を拭いながら嫁と温泉の感想を語り合っていると、
店主とはまた違ったおじさんがこちらに歩いてくる。
ふづき「ありがとうございました!」
さつき「良いお湯でした!」
おじさん「どこから来たの?遠くから来たんならゆっくりしていきなさいよ。あっちのお湯(大黒湯)にも入ったら?ここは塩とアルカリが混ざった、アルカリの方が強い温泉だからね。髪も洗えるし。来てくれてありがとね」
ホンネを言ってしまえば、もっとゆっくりしていきたかった。レンタサイクルの時間もあり、もう戻らなくてはならない時間だったため、親切に、余所者にも優しく出迎えて、尚且つ帰り際までも気を遣ってくれた心配りに、申し訳なさまで感じてしまうほど。すれ違う常連さんと何気ない会話を交わし、お風呂に入りに来たというよりも、ちょっと遊びに来たかのような日常を過ごして笑顔で帰っていく姿を見ていると、ここの店主の人間味を、温かさを求めてくる人も多いのだろうなと容易に想像できる。
これこそが、究極のサービスであり、おもてなしなんだろうなと、汗が引かぬ間に漕ぎ出した自転車で風を感じながら、思いを巡らせていた。
もう一つの温泉へ
自転車を返却、帰りの電車まで微妙な時間が残る。
ふづき「もう一湯、入ろうか?」
さつき「良いよ!行こう!」
ふづき「歩くよ!」
さつき「…え?」
歩いて向かうは、いぶすき元湯温泉なり。
いぶすき元湯温泉
地図上だと駅から近いけれど、歩くと意外と遠かった…。1.5kmをゆっくり歩くと30分近く掛かるんですね。辺りはいつしか暗くなっていました。
こちらもまた、とても味のある造りで。当時のままと言うよりは、リニューアルしてレトロな感じを演出しているように見えます。これはこれで雰囲気があって良いですね♪指宿温泉発祥の湯とも呼ばれているそう。だから元湯なんですね!
詳細
・名称 いぶすき元湯温泉
・所在地 鹿児島県指宿市湯の浜5丁目19-25
・TEL 0993-24-2701
・営業時間 12:00~21:00
・料金 大人350円/小人100円
・定休日 第1、3月曜日
・泉質 塩化物温泉
・泉温 73℃(使用位置)
・pH 8.1
・補足 源泉かけ流し(加水あり)
・公式HP 不明
・地図
※出典:Googleマップ
湯に浸かる
外装も内装も綺麗に作られています。新しさがありながら、古き良さも残しつつ、という絶妙な雰囲気。石の隙間から源泉が染み出ているような演出になっています。実は、写真には映っていませんが、カランからも源泉が出てくるので、激熱なので水で薄めないと身体に掛けられないほど。シャンプーなどのアメニティーは一切ないので、持参必須です。共同浴場あるあるですね♪
お湯の感じは、弥次ヶ湯温泉と似ていて、舐めると塩辛い塩化物温泉。お湯の濁りは、若干薄く、温度調節のため加水しているので抵抗なく入りやすいお湯とも言えます。加水していても、これほど塩味を感じさせ、幾分肌刺激は少ないものの、メタけい酸が193.4㎎と豊富に含まれているため、保温効果と共に湯上がりが楽しみになりそうな温泉です。つるスベ肌が期待できそうです。
温湯(40~42℃)、熱湯(42~44℃)の浴槽に分かれているので、好みで入り分けできるところが嬉しいですね!もちろん熱湯を満喫しました♪
まとめ
今回は、指宿市にある共同浴場2ヵ所(弥次ヶ湯温泉、いぶすき元湯温泉)に入らせて頂きました。当時の観光案内所のお姉さんの話では、どこの共同浴場も入ることが出来るとのお話でしたが、執筆している今現在(2021年5月)では、県外の方の入浴をお断りしているところもあるようです。旅好きで温泉好きな方々にとっては残念な一面もありますが、大切な有限の資源でもある温泉が、末永く守られていくためにも仕方のないことだと思っています。
共同浴場なら、尚更。
その地元の方々があってこその温泉ですので。
弥次ヶ湯温泉では、
人の温かさや優しさを学び、だからこその129年という長い月日を当人たちだけでなく、それを利用する方々との交流を大切にしながら築き上げてきたその証が、佇まいや雰囲気だけでなく、今の人たちの懐の深さと言うか、気持ちや表情に表れているんだなと感じました。温泉から出た後の、身体も心もとても気持ちが良かったのを今でも覚えています。お湯はもちろん素晴らしかったです。
いぶすき元湯温泉では、
源泉で身体を洗うことが出来、適温の濃厚な塩化物泉を満喫することが出来ました。肌に良いとされるメタけい酸が豊富で、女性のみならず老若男女だれもが満足できる温泉と言えると思います。指宿に来た際には、発祥の湯と呼ばれる元湯へ。是非足を運びたいですね!
またいつか、
利用する人も、それを見守る人も、
温かい気持ちで迎えられる日が来ることを願っています。
鹿児島には良質な温泉がひっそりと湧いています。
www.fuzuki-satuki.com
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