ふづきです。
冬の陽射しは潮風に流され、
頬に冷たさだけを残します。
鼻に誘う香りは、
寒さをひと時忘れさせるような、
広大な海原より届きます。
「椿の島」とも呼べるこの大島では、
島の至る所で力強く咲き誇る姿を目にします。
この時は、
知る由もありませんでした。
花は可憐に咲き、香るだけではないことを…。
はじめに
温泉めぐりや観光などで島めぐりをしていると、当たり前なことですがお腹が空きます。今回は、自分たちが立ち寄ったお店の中で、港やバス停からも近くて便利。尚且つ、名物が美味しくいただけるお店を2つ紹介したいと思います。無料で配布されている冊子や地図も載せておくので、是非参考にして、伊豆の大島めぐりを満喫してみてください。
参考資料(無料配布されているもの)
東海汽船より無料配布されている「東京諸島ロケーションガイド」の表紙(左)と、P2の地図(右)です。
お店で頂いた「元町地区の案内」です。日帰り温泉施設や食事処、居酒屋などが多く載っているので、旅のお供になります。
フェリーや港で無料配布されている冊子の1つです。「東京島じまん食材使用店」、東京都産業労働局より出版。今回紹介するのは、その中にも載っているお店となります。
(左)「一峰」P46、(右)「海鮮茶屋 寿し光」P12にそれぞれ載っています。一峰は岡田港、寿し光は元町港の近くにあります。
島の名物とは
大島というと、椿が有名です。食というカテゴリーで見ると、その名の通り、臭いことで名の通っている「くさや」や、新鮮な魚介類。特に「べっこう寿司」「べっこう丼」と呼ばれる逸品は、是非とも召し上がっておきたいですね。伊豆諸島全般で食される「明日葉」も、天ぷらや漬物などで出されているお店も多く見られます。
・くさやとは→
魚類の干物の一つで、伊豆諸島の特産品として知られている。クサヤモロなどの新鮮な魚を「くさや液」と呼ばれる魚醤に似た独特の匂いや風味をもつ発酵液に浸潤させた後これを天日干しにした食品である。
※参照 Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/くさや
・べっこうとは→
伊豆諸島の郷土料理として知られているべっこう。唐辛子醤油につけた魚の切り身が、艶やかなべっこう色になるためそう呼ばれる。旬の魚を島とうがらし醤油に漬ける。それは先人たちが離島という環境のなかで考え出した保存食でもある。
※参照 伊豆大島ナビ https://oshima-navi.com/gourmet/bekko01.html
・明日葉とは→
房総半島、三浦半島、八丈島や大島などの伊豆諸島、そして紀伊半島など暖かい太平洋沿岸部に自生している植物で、日本が原産とされている。古くから食用にされてきており、青汁の原料としても有名。古くは江戸時代に貝原益軒による『大和本草』にも、八丈島で栽培されている滋養強壮に良い薬草として紹介されている。
※参照 旬の食材百科 https://foodslink.jp/syokuzaihyakka/syun/vegitable/ashitaba.htm
お食事処と逸品
ここからは、実際行って、見て、食べてわかる!お店と食べたメニューを載せてあります。多くのお店がある中で、ここで良かったと思える2店舗をチョイスしてみましたので、今後の参考にしてみて下さい。
一峰
※参照 Googleマップ
所在地 大島町岡田5
営業時間 10:00~15:00
電話 04992-2-8524
定休日 木曜日(元町港出帆日)
岡田港から歩いてすぐにある、お土産屋さんの2階。お店に入ると、あしたば茶がお出迎えしてくれます。見た目は、ほうじ茶のような色合い。香りはほんわかと紅茶のよう。飲んでみると、「ん?」と感じる甘味。緑茶のような渋味や苦味はなく、ほんのりと甘さが舌に残ります。
とりあえずのビールを注文。まさかの柿ピーがお通しです。
頼みたいメニューは沢山ありますが、来たからには名物を食べたくなりますよね♪
嫁のさつきと、限定15食の一峰丼を注文。噂のべっこうと何やらアワビのような貝が乗っています。店員さんに聞くと、このべっこう漬けはメカジキをちょい辛の漬けにしたよう。
べっこう漬けは、ねっとりとした食感で、口の中を漬けの醤油が甘くまとわりつく。すぐに島唐辛子のピリッとした辛みが追いかけてくるが、嫌な辛みではなく、アクセントに丁度良い刺激になる。
そして、このアワビのような貝は、「とこぶし」という名で、アワビと同じ仲間だそう。コリコリとした食感で、磯の香りが堪らない。地酒の盛若(焼酎)に合いそうです。貝殻には穴が開いてますね。
今の季節はちょうど椿祭りが開催されていて、明日葉の天ぷらには椿が添えられている…というよりセンターを取っている主役級。明日葉は、生やお浸しでは少し苦味やえぐみを感じるが、天ぷらにするとそれらが緩和されて旨味が際立ち食べやすい。椿の天ぷらは、少し酸味のある、気持ちフルーティーな天ぷらという感じ。意外と美味しい。
他のお店と比べると、同等~リーズナブルと思います。
港近くなのに、お手軽に美味しく地物を戴けるお店だと思いました。
海鮮茶屋 寿し光
※参照 Googleマップ
所在地 大島町元町1-4-7
営業時間 11:00~15:00 17:00~22:00
電話 04992-2-0888
定休日 年中無休
元町港から歩いて5分程。岡田港と元町港はバスで20分程(片道370円)です。建物外観は改装中?のようで足場が組まれていました。
昼時に利用したのでランチメニューとなります。名物のべっこう丼と、一度は食べてみたかった「くさや」を注文します。
べっこう丼は、一峰とはまた雰囲気が違い、ピリリとした辛みよりもまろやかな口当たりと甘さが際立ちます。ねっとりとした食感は、いわゆるマグロの漬けのようで、また違った柔らかさを感じます。目を閉じて「旨いなぁ」と、しみじみ感じたくなる旨さです。
メニュー名は「ちぎりくさや」、くさやをほぐしてあります。店員さんの話では、島の人は当たり前に食べているが、他から来た人は「やっぱり無理」と食べられない人が多いそう。
嫁のさつきと一口食べます。
さつき「…全然平気。これは日本酒でしょ!」
ふづき「意外とイケるね!臭いけどウマイ!」
確かにアレのように臭いんです。けれど、その分、旨味が凝縮されていて、噛めば噛むほど魚本来の旨味が出てきて、本当お酒が欲しくなります。嘘だと思ったら一度食べてみてください。癖になります♪
佇まいは高級そうなお店ですが、一品一品の味を知ると安いくらいに感じました。ランチメニューはリーズナブルでとても美味しかったです。他のメニューも食べてみたいなと思いました!
まとめ
島というと、海鮮=刺身のイメージが強くありましたが、生ものは美味しいだけでなく傷みも早い。先人の知恵である漬けにすることで、保存ができるようにし、さらに旨味も増してまさに一石二鳥なべっこう漬け。本州にはない風味、色合い、香り、食感は、持ち帰りたい気持ちよりも、ここでまた食べたい気持ちに駆られる魅力を感じました。
さらに、椿には驚かされました。見て楽しむ、塗って喜ばれる椿油として有名なものが、まさかの天ぷらとして島の人たちに食されていたとは。食べられる椿と、形が崩れてしまうなどで食べられない椿があるそうですが、見て良し、塗って良し、食べてなお良しな逸品となりそうです。
くさやですが、これは是非とも食べたことのない人には食べて欲しい一品です。罰ゲーム的なイメージを払拭できるポテンシャルを秘めています。お酒を嗜む人には最適です。確かに臭いんです。その臭さと味のギャップが、余計に旨味を引き立てます。噛めば噛むほど、地酒の盛若(焼酎)が欲しくなること間違いないです。
- 価格: 550 円
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伊豆諸島(神津島)の地酒「盛若」。居酒屋で頂きましたが、癖が少なく飲みやすかったです。
一峰さんと、寿し光さん、ありがとうございました!
このようなお店の方々がいることで、自分たちのように先入観をありのままの姿として見直すことができますし、良く知らなかった伊豆の大島を食という観点から見つめ直すことができました。島の文化をそのまま提供することが、今の多様性で複雑な社会で生き抜く自分たちに必要なのではないかなと、島の恵みを味わいながら感じました。
もし、大島へお出掛けの際の参考になれば幸いです。
伊豆大島の観光情報は、後日UP予定です。
(注)この記事の写真はすべて、著者が撮影及び編集したものを使用しています。~2020年2月某日~
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