ふづきです。
「煙」と言うと何を思い浮かべるでしょうか?
モクモクとしたその姿は
手で触れても感触がなく、
目では柔らかそうだったり、
時には美味しそうだったり。
人によっては
食に結び付くイメージを持たれていたり、
休憩時間のひととき
だったりするのかもしれません。
それはまた、
そこに留まってプカプカと浮かんでいるのか、
はたまた、勢い良く噴き出しているのか。
心地良い香りを含ませているのか、
しかめっ面になるような臭いなのか。
様々なシーンや、状況を思い浮かべます。
おうち時間が増えた最近では、
気分転換にお香を焚いたり、開放感のあるキャンプに出掛けて焚火の煙が目に染みたりと。今までとは違う「煙」に出逢えたりする機会も増えた気がします。
もちろん、
一番好きな煙は『湯けむり』ですけどね♪
はじめに
<2020年12月>
なぜ煙の話をしたのかはさておき、知る人ぞ知る名湯の湧くこの地にて、嫁のさつきと湯めぐりが出来ることを幸せに思います。
毎回足を運ぶ場所場所で、ふたり好みの温泉(泉質や雰囲気等)に出逢えるのは嫁のリサーチ力と機転が利く行動力のおかげです。いつも任せっきりで、ホント感謝してます♪
場所は、鹿児島の霧島温泉郷。
観光でも湯めぐりでも、ここを起点とすると良いなと思った場所でもあります。簡単に説明するならば、観光案内所や複数のお土産屋があり足湯もある…なななんと、温泉の・・・百聞は一見に如かず。
興味のある方は見て行って下さい!笑
霧島温泉市場
ここに足を運んだワケは、霧島に来たからには霧島を(知識としてではなく体感として)知っておきたいと思ったからです。とカッコ良く言ってみたものの、嫁のプランに乗っかって来ただけだったりします…はい。
観光案内所もお土産屋も併設しているので、霧島めぐりで考えている方はここを起点としても良いかもしれませんね!
それにしても、あの湯けむりが気になります。
霧島温泉市場には2階建ての建物があり、その2階の一角に観光案内所があります。ごく普通の観光案内所なんですが、無料にて観光スポットの写真と情報の載った(暗記カード位の大きさの)観光カードが配布されているのです。
旅の記念に、これから行く場所の事前情報として。あって損はない、ちょっと嬉しいカードです。
あの湯けむりを囲うように、2階建ての店舗が軒を連ねています。1階はお土産屋や蕎麦屋、男女別のトイレも併設。2階は地物黒豚をメインとした豚カツ屋や豚しゃぶ屋がありますね。観光案内所もこの並びにあります。温泉に入るとお腹が空くので、地物を食べたいと思っています。
霧島温泉市場の詳細
・名称 霧島温泉市場
・所在地 鹿児島県霧島市牧園町高千穂3878-114
・TEL 0995-78-4001
・定休日 不定休(店舗ごとに異なる)
・営業時間 8:30~18:00(店舗ごとに異なる)
・公式サイト
霧島温泉市場サイト:霧島温泉郷(鹿児島県霧島市)
・地図
出典:Googleマップ
日本最初の新婚旅行
霧島神宮でもお見掛けした龍馬さんとお龍さん。ふたりでここまで歩かれたんですね…と思ってたら、その距離なんと45kmオーバー。(少し冷静になり考えてから…)ふたりならどんな道でも楽しく歩かれたんでしょうね。この旅が、日本最初の新婚旅行と言われているそうで、龍馬さんは旅好きな人だったんだなと、新たなイメージを持つこととなりました。
説明書きをよく見ると、意外や意外。あの西郷隆盛さんから霧島での温泉療法を勧められて、京都から鹿児島の霧島まで足を運び、硫黄谷温泉に泊っていると。湯治は当時から流行っていたんですね…。
栗野岳温泉でも療養していたと言われる西郷さんとは、案外気が合うのかもしれません。
www.fuzuki-satuki.com
www.fuzuki-satuki.com
足湯
・営業時間 9:00~17:00
・泉質 含硫黄・ナトリウムー塩化物泉
・泉温 40~45℃(源泉89.9℃)
・料金 大人100円小人50円(貸タオル込)
今回は入りませんでしたが、入っておけば良かったなと今更ながら思っています。値段ではありませんが…、何ででしょうか。
足湯よりも魅力を感じたのがこちら。
自分たちが故意的に並べたわけではありません。入らなかった自分たちに冷たい視線を送っているのか、それとも来てくれたことを歓迎してくれているのか。何だか心温まる画が撮れたような気がしました。
ちなみに、アヒル隊長は霧島温泉大使なんですよ!
鹿児島県霧島市|霧島温泉大使「アヒル隊長」の任命
(参照サイト)
温泉蒸気蒸し
さっきの気になっていた「湯けむり」の正体。
屋台の焼き上がった美味しそうな煙ではなく、ほんのりと硫黄のようなまろやかな匂いを含んだ、確かに湯けむりです。温泉の匂いを嗅ぐだけでテンションが上がるふたりですから、こういう演出をされたら食べざるを得ないですね!
温泉たまごはもちろんのこと、トウモロコシ大好きな嫁は迷わず注文。大分の別府でも温泉蒸しのトウモロコシを頂きましたが、それとはまた違った甘さだったとのこと。温泉たまごはプリっぷりのもち肌で、ほんのり燻製色のよう。硫黄臭なのかたまご臭なのか、口の中で広がる風味がまろやかで、飲泉をした時のそれと似たような感覚を覚えました。普通のゆで卵よりも、本来の甘さが濃く感じられました。
温泉の泉質や特徴によって味わいや風味が変わるのであれば、それを目当てに各地を周るのも面白いなと、そう思いました。
トントン亭
遅めのランチを頂くことにします。温泉たまごで小腹を満たそうと試みましたが、余計に食欲に火をつけてしまったよう。せっかくなら、地物の黒豚料理を食べたい!と2階へ上ると、3軒並んで黒豚屋さん。黒豚豚カツにトントンに黒豚しゃぶしゃぶ…。迷いどころですが、選択肢が多そうなトントン亭に決まりました。
店内は閑散としていて、店員さん同士の会話が弾む貸切状態。(個人的にはゆっくり食事を楽しめるので嬉しい限りですが…。)木をメインに、全体的にも茶色をベースに落ち着いた雰囲気。レジを境に、左側はテーブル席、右側にはカウンター席と座敷席を構えています。ダイニングと言うだけあって、食堂を広くしたような初めてでも気兼ねなく食事を楽しめそうな気分になれる。
黒豚証明書が載せられており、地物への力の入れようを感じさせる。
まずはビールで乾杯と言いたいところだが、自分は運転のため嫁の美味しそうなビールを眺めるだけ。それはそうと、さつまいものビールがオススメされているが、迷いなく普通のビールを頼むところが嫁らしい。
定食を頼んでいていつも感じることなんですが、オシャレなビル群の立ち並ぶ周辺の繁華街と言いますか、そこから離れれば離れるほど茶碗の器が大きくなり、添えられる脇役たちの存在感が増す気がしています。それであって落ち着いてゆっくり食事が楽しめる。そういう環境って当たり前にありそうで意外と疎かにされがちな気もしています。きっと、繁忙期であっても、こういうお店は落ち着いていられるんだろうなと、何だか根拠のない事実を想像してしまいます。
この画からは伝わりにくいですが、もっと豚臭いかなと踏んでいたのですが、全くそんなことはなく、ふわっと鼻に香る揚げた油の匂いと火に掛けたときに香る肉のフレーバー。薄いキツネ色の衣を割ると、歯先から染み出るジューシーさがほど良く舌に纏わり美味しさとなる。豚カツって、豚カツに限らずですが、揚げると何でも旨い常識はつきものですが、それでもやっぱり旨いですよね。衣をつける前にひと手間加えてるのでしょうか、しっかり火入れされているのにホロっと柔らかさを感じさせることに、優しさを感じたりします。
・湯けむりダイニングトントン亭 公式サイト
湯けむりダイニングトントン亭 | 霧島市霧島温泉にある黒豚料理専門店 とんかつ しゃぶしゃぶ 宴会
湯けむり
霧島温泉と言うと、
「湯けむり」と答える人が多いそう。
実際、先ほどの足湯にも「湯けむりの里」と言うネーミングが付けられている。けれども、その湯けむりについて「温泉郷らしい」でサラッと触れて終わりのものが多く、こんな凄い景色が見られるのにナゼ?と自分は思ってしまう。別府の鉄輪温泉にも湯けむりの素晴らしい景色があるが、それとはまた違った、感動すら覚える姿を目の当たりにした。
霧島温泉郷へ訪れた人、その誰もが目にするほど空高く、白煙の湯けむりが悠々と噴き出している。ああ、これが皆々の言う湯けむりの正体なんだな…と、ここで初めて気付いた。
この温泉の湯けむりは、ただ噴き出させているだけでなく、霧島温泉市場の温泉蒸気蒸しのように「食」へ。浴用の温泉の温度管理への活用や、地熱発電などの「生活」へと活用されているそう。そんな人と密接な湯けむりを、ただの煙として見てしまうのはあまりにも勿体ない。
・霧島温泉市場から湯けむりまでの地図
出典:Googleマップ
・参照サイト
湯けむりと上手にお付き合い | 霧島温泉郷「霧島国際ホテル」
温泉の、源泉の噴き出し口を何度か目にしてきたが、こんな間近で、このような量の白煙を目の当たりにすると、言葉が出なくなる。喉の奥の方で「凄い…」という言葉が出ように出られないような、力強くも、優雅に、迷いなく噴き出すその姿に、なぜか勇ましさすら感じさせる魅力がある。
いつからその姿を見せているのだろうか…。
金属の劣化、腐食の様子から、もうだいぶ前から人の手を加えずに、自由気ままに空へと突き進んでいるようにも思える。パッと見、放置され、壊れているようにも見える。噴き出し方から、壊れていると思った方がむしろ自然なくらいだ。
霧島温泉郷として一括りにまとめられてしまっているこの湯けむりは、自分たちが入っている温泉よりも先に、もっともっと触れられても良いのではないかと、言葉では説明が出来ない圧倒的な熱量と力強さに、温泉というものの魅力が何かを考えさせられた気がした。
おわりに
霧島温泉郷を語るにはまだまだ知識も情報も足りませんが、地物黒豚の美味しさには少しばかりかじることが出来た気がします。
聞くところによると、黒豚は「歩く野菜」とも言われ、温泉は「飲む野菜」と湯之谷温泉では館主さんが仰ってましたから。どちらも豊富な栄養素を含んでいることのようですが、自分に合った食べ方や味わい方で楽しめれば嬉しいですね♪車中飯の時にメスティンで、アルカリ性の温泉で炊くご飯が好きだったりします!(くれぐれも自己責任でお願いします…)
ここに足を運んだ坂本龍馬さんは間違いない情報を西郷隆盛さんから頂いたんだなと、昔の偉人は現代のような情報網がない中で確実で正確な情報を得る手段と、それを見抜く技法を身に付けていたのだと想像すると、教科書で学ぶことだけでは全くもって足りないんだなと感じざるを得ません。
実際に見ること、体感することの大切さ。
それはいくら時代が変わっても、不変的なものなのかもしれません。
湯けむりと紐づける霧島温泉の魅力とは。
きっと、
知らず知らずに、当たり前の日常へと溶け込んでいった姿なのでしょう。
青い空に浮かぶ雲のように、同じ水蒸気でも生活の一部となるその煙は、そこに住む人々や立ち寄った旅人たちの身体を暖めるだけでなく、自分たちのような何でもないふたりの心を揺さぶる、力強く、迷いのない意志の表れなのかもしれません。