徒然たびたび夫婦旅

温泉、車中泊、プチ旅行…。夫婦ふたりで気ままにお出かけ日記♪

いつかの湯めぐり明礬温泉…湯の花から気付くヒトの気持ち~嫁と湯の里かぞく風呂~【大分県 別府市】

ふづきです。





ほっこりするような話を聞いたり、幸せそうな光景を目にすると、何だか自分までお裾分けを貰うじゃないですけど、温かい気持ちになれたりします。同じ経験をしたわけでもないのに、見たり聞いたりしただけで、それに近い気持ちになれる…、それを共感と言うのでしょうか。人間として生まれてきたからこそ、感じることのできる領域だと思います。その日その時で感じ方は人それぞれで、いつからか他人(ヒト)の嬉しいことや悲しいことに一喜一憂してしまうことの増えた、そんな自分に、歳を重ねた事実と、人生という深みを少しかじれたような微笑ましさを感じる、今日この頃です。





はじめに


温まる、と言えば温泉です。

自分たち夫婦が温泉めぐりを始めてから間もない頃、一度は絶対に行きたい!と心に決めていたところがありました。

当時は、有名どころしか名前も知りませんでしたから、温泉雑誌Google先生に聞いたりして「へぇー、こんなところもあるんだ」ぐらいにしか考えていませんでした。とにかく、濃厚で、ガツンとインパクトのある温泉ばかりを選んでめぐっていたことを思い出します。色んな意味で「若かったな」と思います。

場所は、大分県別府市。名前に一目惚れしたんです。明礬(ミョウバン)温泉。「ミョウバン…どんなお湯に入れるんだろう…イメージでは、深緑ドロッとしたポタージュ系な温泉かな!」「身体が痛くなるくらいの、ピリピリするような薬品系な温泉でもいいね!」と、ワクワクでした。




明礬温泉とは


明礬(ミョウバン)温泉は、別府市街から少し離れた伽藍岳中腹の標高400mの所にある地熱地帯で、その名の通り江戸時代から明礬(湯の花)が採取されてきた山の温泉街。急傾斜の地熱地帯に別府石の石垣が築かれ湯の花小屋が建ち並び湯けむりの立ち込める明礬温泉の景観は、鉄輪(カンナワ)温泉とともに「別府の湯けむり・温泉地景観」の名称で国の重要文化的景観として選定されている。コロイド硫黄を含んで白濁した温泉が多く、泉質は、酸性硫化水素泉、緑ばん泉で神経痛・リューマチ・皮膚病に効能がある。
別府温泉 - Wikipedia より引用


嫁のさつきから、「湯の花がスゴイみたいだよ!」「地面から湯花が生えるみたいだよ!」「めっちゃいい感じの温泉みたいだよ!」と、ものすごくスゴイことは伝わってきました。旅する前に、必ずガイドブックを購入して、事前情報をゲットして効率良く、あわよくば全部めぐりたい嫁のさつきのワクワク感は、温泉の情報以上に伝わりました。このことからわかるように、行く前から興奮させてくれる温泉、それが明礬温泉魅力のひとつです。



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※東洋一のコンクリートアーチ橋(別府明礬大橋)

平成元年7月に開通した、九州横断自動車道長崎・大分線の別府~湯布院間にかかる『別府明礬橋』は、橋長411m、地上約50mのコンクリート固定アーチ橋。別府八湯のひとつ明礬温泉にかかり、アーチ支間距離235mは当時、世界第8位であった。長さ、容姿ともに東洋一をほこるコンクリート・アーチ橋『別府明礬橋』は、優美でかつ力強い。風光明媚な別府の自然とよく調和して新しい観光の名所となった。
別府明礬(みょうばん)橋 - 大分県ホームページ より引用。


温泉ばかりに気を取られていましたが、見晴らし台からこんなにも綺麗なアーチを描いた橋が見られるとは思っていませんでした。「東洋一」という響きが、どうしても「東洋の魔女」という言葉を連想させてしまい、写真を見ると頭から昭和感が抜けなかったことを思い出します。鉄輪温泉とともに、景観に長けているという姿を垣間見たような気がしました。このような歴史的建造物は、末永く残っていて欲しいと思います。




古くは薬として…


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※別府特産「岡本屋」の湯の花


温泉の効能や、濃度の濃い温泉地では「湯治」と呼ばれる、長期で滞在し、温泉に数日にかけて浸かることにより疾病が良くなるという、いわゆる「温泉療法」がありますが、明礬温泉の「湯の花」は、古くはとして重宝されていたよう。科学や医療の進歩した今現在でも、自然の力には敵わないんじゃないのかなと、そのくらい自然の力、温泉の力って偉大だなと感じます。

普段、入浴やら飲泉やらで楽しませて頂いている温泉ですが、このような形で、湯の花を目で見て肌で感じるというのも、これまただなと、楽しみ方がひとつ増えました。


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見た目でわかるくらいの硫黄足湯があったり。


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こんな地獄なら、毎日のように来たいと思ったり。


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グツグツと煮えくり返ってる地獄を見たら、そりゃ「危険」に違いないと思ったり。


古くから、人と温泉の繋がりを感じ、生活の一部として、時には薬としてなくてはならない存在となっていたんだなと、すでにお風呂という意味合いだけでは済まない意識を持つこととなりました。自分たちの温泉への視点が変わるきっかけとなり、興味と気持ちがより強くなった瞬間でした。




明礬温泉 湯の里


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※外観撮影


詳細はこちらからどうぞ↓↓
http://yuno-hana.jp/※湯の里 公式ホームページ


アクセスはこちらから↓↓
※Googleマップ参照



天然の入浴剤「湯の花」を購入出来たり、オリジナル商品、大分名物など取り揃えています。売店だけでなく、レストランもあるので入浴後の湯涼み、ひと休みにも快適です。



営業時間
・10:00~21:00

入浴料金
・大人600円 小人300円

浴槽
・男女別内湯、男女別大露天風呂

その他
・源泉かけ流し

泉質や泉温等は後述の家族湯と同じ。
内観などの詳細は、公式ホームページを参照お願いします。



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この小屋で湯の花を採取していたよう。雪の結晶ならぬ湯の結晶と呼べる程、湯の花は可憐に咲き誇っているように感じます。


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せっかく来たからには、一緒にお湯を満喫したい!良い温泉なら尚更!ということで、貸し切りで入ることの出来る家族湯を利用しました。4棟あるようで、「由布」を選びました。
(一番大分らしい名前なのが理由です)




家族湯 詳細


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湯の花の小屋と同じような造り。小屋と呼ぶべきか、離れのような、ロッジのような佇まい。


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鍵付きの扉を開けると、胸キュンの光景が…。100点満点の内装ですね!ワンルームなら理想的な構造です!濃厚な乳白色の温泉が源泉かけ流しで、ただそれだけある部屋。十分です。



4棟の内装の異なる家族湯あり

・由布(今回利用)1時間2000円

・鶴見 1時間2000円

・高崎 1時間2000円

・扇山(他より少し広い)1時間2500円

営業時間
・10:00~21:00

泉質
・酸性・含硫黄ー単純温泉
(低張性 酸性 高温泉)

泉温
・64.4℃

pH
・2.3

効能
・アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、慢性湿疹、冷え性、糖尿病など

その他①
・濃厚な「源泉かけ流し」を独り占め

その他②
・リンスインシャンプー、炭の石鹸あり




入浴してみて


扉を開けた瞬間から漂う匂い、硫黄の粉っぽさの後に、温泉特有の硫化水素臭が鼻に纏わり付きます。桶でお湯を救うと、濃さを象徴するかのように暴れだす湯の花の湯煙。湯口や浴槽の淵にこびり付いている結晶の姿は見事です。源泉は熱いものの、湯船は適温(体感43~44℃位)で、天井が高く、風が適度に巡回してくれるため意外と快適に過ごせる。濃厚な乳白色の湯に身を委ね、嫁のさつきと言葉少なに、お湯を共感し、満喫する。「いい湯だね」その言葉だけで分かる、言葉以上の湯心地。堪らないですね。


お湯満点、雰囲気120点な貸切家族湯でした。




まとめ


明礬という言葉と出会ってから、湯の花がただの入浴剤ではないということを知りました。お湯の中に沈殿しているもの、というイメージを覆す、温泉の本体と言っても過言ではない存在であること。自然から湧き出でるお湯から、科学では証明できない力を秘めていて、薬にも使われていた湯の花。雪の花と呼ばれる雪の結晶同様、その見た目にも花のように散りばめられている一面を眺めると、まるでお花畑となんら遜色ない姿を感じさせるのが、また魅力に感じる。

濃厚にもかかわらず、湯上りはサッパリと、けれど纏わりついた濃い成分が、保温と美肌を作り上げてくれるのが嬉しい限り。ますます、明礬温泉の虜になってしまいます。



温泉に浸かり、旅を満足している嫁の顔を見ると、ここに来て良かった。温泉って、何度来てもいいな。何より、一緒に居られて良かったなと。自分の満足よりも先に、幸せを幸せと教えてくれた嫁の存在に、この(湯の)花を捧げたいと思います。



人の喜びや悲しみを、自分のことのように一喜一憂できるのは、もしかしたら、嫁のさつきとの温泉旅のおかげかもしれません。






独りの時間や温泉に浸かっていると、ふと思いに耽ることがあります。
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旅先で印象的だった、奇跡の一本松。復興とは…考えさせられますね。
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青森県にも、また嫁と入りたい濃い温泉がありました。
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この「家にいる時間」は、温泉旅を振り返り、温泉が好きということ、旅がしたいということ、それは嫁とじゃなきゃダメだということを再確認させてもらえる、穏やかな時間になりそうです。





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