ふづきです。
ふいに潮風に吹かれたくなる。そんな時はありませんか?
青く晴れた空を見ると、蒼い海を想像する。海沿いの道を走り、海風を感じながら、日常を忘れるふたり。そんな旅を思い出します。
はじめに
それは2019年の春。
県の花が菜の花で知られている千葉県。「房総半島を1周しようか!」そんなふづきの一言に、「いいよ!行こう♪」といつものように即答で答えるさつき。海沿いを走り、新鮮な海鮮類を満喫し、そこでしか味わえない温泉に浸かる。そこに今回は、珍しい道の駅があるとの情報を嫁のさつきがゲット!旅人にとって道の駅は大事な休憩スポットであり、その旅の拠点でもあります。
嫁といつかの旅めぐり。いよいよ幕が開きます。
海と空から見えるもの
車窓から吹きかける風が、都会の乾いたものから肌に纏わり付くそれに変わる頃、目の前に広がる光景に心を奪われます。
ふづき「気持ちが良いね!」
さつき「ちょっと寄って行こう!」
潮の香りは、何だか懐かしさを感じます。夏場に身体が欲する塩分のような、そんな感覚でしょうか。底まで見える澄んださざ波と、時折荒れ狂う姿を現すような岩々。そして穏やかに見守る空色。いつ見ても飽きない、毎日でも眺めていたい。引いては寄せる波の音に、陽射しがアクセントのように合いの手を入れる、まるでロックバンドのよう。
会いに来てくれたお礼にと、綺麗な貝殻が配られていました。家に置いてあってもすぐに埃を被ってしまうような存在でも、本来あるべき居場所にあると、それだけで絵になる。人と同じように、適材適所ってあるんだなと、そう感じさせます。
房総半島を外房から周り、頂点を通り過ぎた頃。東から昇った太陽は、自分たちを追いかけるように西へ回り込みます。昇る速さより、沈むのが速いのは、出勤するのは億劫だけれども、帰宅するのは急ぎたいサラリーマンと同じ気持ちなのでしょう。大切な人が待っているのかもしれません。赤く染まるのは、決して酔っぱらっているからではなく、一日一生懸命に頑張った充実感の賜物。人も自然も同じ時間を生きているんだなと、水平線に沈むそれを眺めながら思いに耽ります。
旅の拠点
小学校に通うのは何十年ぶりでしょうか。
黄色の帽子を被って、ランドセルを背負って…。家から学校まで、街灯もないような山道を越え、蛙の鳴くような長い道のりを歩いた記憶が甦ります。おかげで足が速くなったことは、高齢化社会を健康で生き抜くための糧になったことと思っています。
全国でも珍しい、廃校を道の駅にしたよう。千葉県は鋸南町。
名称 道の駅 保田(ほた)小学校
所在地 千葉県安房郡鋸南町保田724
TEL 0470-29-5530
駐車場 大型5台 普通車107台(身障者用2台)
営業時間 9:00~18:00(通常時)
※2020年5月10日現在は、臨時休館しています。
詳細はこちらから確認お願いします。→https://hotasho.jp/
アクセスマップはこちらから。
※Googleマップ
入学、入浴、宿泊も
着いた時刻が遅かったこともあり、開校まで車中泊(仮眠)をさせて頂きました。平日にも関わらず、多くの車が見受けられ、廃校を利用した珍しさだけでなく人気の高さも窺えます。駐車場は学校の校庭を再利用した作りで広く、トイレはとても綺麗。近隣に商店街などなく、夜はとても静かでした。利用する際には、マナーを守って、次回に繋がるよう気持ち良く共用したいものですね。
夜、トイレに向かう途中に、看板娘に出会いました。とても人懐っこく、愛くるしい顔で魅了してきます。こんなに人に馴れていたら、誰かに貰われちゃうんじゃないかと、嫁入り前の娘を持つ父親のような気持ちになりました。
道の駅保田小学校には、普通の道の駅のように地元の特産物やお土産が販売されていたり、鋸南町のインフォメーションがあったりします。その他に、名前の通り小学校をそのまま利用して作られているので、食堂や教室なども観たり、歩いたりすることができます。まさに、小学校に入学した当時の気持ちに浸ることができるのも、魅力のひとつだと思います。特に、昭和世代の方は懐かしさを感じることと思います。
二宮金次郎がお出迎えしてくれました。
叔父から「百姓には学問はいらない」と言われたことで、薪を背負いながら本を読んだと言われています。「積小為大」を説いたことで名が知られている金次郎。小さなことを積み重ねて、大きなことを為す。倹約家であり努力家だったんだなと、大人になってから知りました。
昔は当たり前のようにあったピンクの電話。10円を何枚も用意しておかないと突然切れることが良くありました。
体育の授業の後や給食前は、良く手を洗いました。今の時期は一番大事なことですね!
教室は…黒板ではなくホワイトボードですね。机と椅子は当時と変わりありません。掃除の度に、椅子を上げて運んでいたことを懐かしく思います。
給食の時間が一番の楽しみでした。もちろん当番ではなく、食べる方。給食のカレーって、何であんなに美味しかったのかなと、今でも食べたくなったりします。
教室で宿泊できるようになっています。宿泊例として、2~4人部屋で大人1人4200円(素泊まり)、朝食850円、夕食1000~1500円(給食ではなく弁当のよう)。なかなか学校に泊まることはない機会なので、面白そうですね♪
入浴施設もあります。温泉ではありませんが、宿泊や車中泊で利用する際には助かりますね♪
入浴手形を購入して、これが鍵の役目となります。(入浴後は要返却)
名称 里の小湯
施設 男女別内湯、テラスにシャワーブースあり
利用時間 10:30~17:30
定休日 木曜日
利用料金 大人500円 小人250円(町外料金)
その他① 沸かし湯
その他② ドライヤー、リンスインシャンプー、ボディーソープあり
入浴してみて…
学校のイメージとは違い、普通の綺麗なお風呂でした。旅の疲れを洗い流すには、とても有り難い施設です。
他にも…
学校の中に食堂やカフェがあります。今回の旅では利用しませんでしたが、人気メニューがあるようなので、次回利用した際には立ち寄りたいと思います。
気になる方は、こちらから↓
里山食堂 | 都市交流施設・道の駅 保田小学校 | 千葉房総半島 鋸南町の道の駅
まとめ
少子高齢化が進む中で、廃校に追い込まれる学校は少なくないと思います。このように、都市交流施設と称し、地域活性化のためにも、今ある施設を最大限に活かし、無駄なく貢献する姿勢は、金次郎の生き方を表したようにも感じました。学校という存在は、誰しもが青春時代を過ごしてきた場所で、友達関係、先輩後輩関係、勉強、運動、給食等々、良くも悪くも沢山の思い出が詰まった場所です。卒業してからは、特に用事でもない限りは立ち寄ることのない小学校。そんなある意味貴重な場所に、気楽に来られる。老若男女が各々の懐かしさに触れられる。道の駅なのに、不思議な思いに浸ることのできるこの保田小学校。
当時の思いに耽るのも良し。大人になった今、また違った楽しみ方をするのも良し。同級生たちと懐かしむのもまた良し。地物の買い物、食事、入浴、宿泊、或るいは車中泊。楽しみ方は人それぞれ(マナーの範囲内で)。道の駅の在り方を、楽しみ方をまたひとつ知った。そんな小学校との出会いでした。
あ、ひとつ大事な情報を忘れていました。
翌朝、ラジオ体操の曲が流れて、スタッフの皆さんだけでなく、車中泊したお客さんたちも元気良く体操していましたよ!笑
小さな旅を積み重ねて、いつか大きな旅を成し遂げたいなと。
嫁との夫婦旅は、これからも続きます。
ふづき と さつき
道の駅の情報や車中泊の体験記
www.fuzuki-satuki.com